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[コラム] スティングとの思い出

NO.16編集部コラム


スティングのニューアルバム「デュエッツ」がコロナの影響で製造が遅れており、当初11月リリース予定だったが、大幅に延期され3月となった。こんなところにもコロナの影響が出るんだな、という想いと、配信全盛の時代であってもフィジカルを重視するあたり、時代を感じる部分でもある。

筆者にとってスティング、というアーティストは少し特別な存在のアーティストだ。

中学生の頃だろうか?おそらく自分用のCDプレイヤーを初めて持ったくらいだったと思う。CDプレイヤーを持ったとしても、中学生にとってCDアルバム3000円というのは非常に高価な代物だったし、当時はそこまで音楽を掘って聞くような中学生でもなかった。

そんなごく普通の中学生の楽しみの一つが、ラジオだった。地方に住んでいたので、「ラジオ局」というものがたくさんあることも知らず、NHK-FMの音楽番組「ミュージック・スクエア」を聞いていた。ある日、番組を聞いていたら、ギターの悲しげなリフに乗せて、スモーキーな男性の歌声が聞こえてきた。当時、洋楽なんて全く聞いていなかった中学生に無性に響いた曲で、思わずカセット・テープの録音ボタンを押した。

曲をかける前にすでに曲紹介をしてたのだろうか、曲名とアーティスト名は録音されたテープには残っておらず、それから数年間、自分にとっては謎の名曲としてライブラリされることとなった。

そして、このモヤモヤした状況が晴れていくきっかけとなったのが、映画「レオン」だった。映画館での上映はすでに見逃しており、公開から数年後、当時付き合っていた映画好きの彼女から「レオン」を勧められ見た。確かに映画としても面白かったが、エンドテロップで流れてきた、ギターの悲しげなリフに乗ったスモーキーな男性の歌声に、心が動いた。

映画のテロップをしっかり見ていくと「Shape Of My Heart」というタイトルと「Sting」というアーティスト名を発見した。

この「Sting」というアーティスト名を頭に、近所のCDショップへ行き、「Shape Of My Heart」が入ったアルバムを購入。そこから少しずつスティングのアルバムを買い集めることとなる。そして、レンタルCDショップで、ベストアルバムを借りて聞いた時、体に電気が走ったような感覚があった。そう、中学生の時にラジオから流れて、カセットに録音したあの曲だ。「Fragile」という曲だった。

かつては、きっと多くの人がこんな体験をしていたに違いない。しかし、今ではそこまでお金をかけずとも音楽を知ることができるようになったし、Shazamのような便利なツールもある。

しかし、こうした体験はより音楽やアーティストを記憶と結びつけてくれる。ジャケ買いもそうだろう。ジャケ買いしたものの、イマイチ曲はピンとこなかった。しかし、ジャケ買いしたアルバムはなかなか手放せず、改めて時間を置いて聞いたら、その良さが今はわかる・・・

そんな経験を勇気を持ってしてみてほしい。音楽への接し方が変わるのではないだろうか。

(NO.16編集部)

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