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[コラム] Wall Of Soundを築き上げたフィル・スペクター

NO.16編集部コラム


「ウォール・オブ・サウンド」という言葉を聞いたことがあるだろうか?ビートルズのプロデユーサーとして名を馳せた、フィル・スペクターの音を、こう表現したのだ。
多重録音と空間系エフェクト(エコー、リバーブなど)を駆使し、音の厚みを増幅させる、まさに壁のような音を目指した。

彼のプロデュース作品の代表作の一つに挙げられるのが、ビートルズのアルバム「Let It Be 」だ。

このアルバムは、ビートルズのラストアルバムとして知られているが、これはバンドのセッションに、フィル・スペクターがオーバーダビングを施し、完成させたものだった。ポールは、フィルのオーバープロデュースを良ししなかったが、契約の関係上リリースされることになったそうだ。ジョンとジョージは、ソロになった後もフィルのプロデュースを受けるなど、良好な関係を築いていたようだが・・・

なお、2003年に、フィルのオーバーダビングを取り除いた「Let It Be…Naked」というアルバムもリリースされている。リミックスではなく、本来の姿を取り戻す、というなかなか新しいスタイルのアルバムだ。ただ、それだけに、フィル・スペクターのプロデュースによって、音が変化していた、ということだろう。

また、ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンは、「ウォール・オブ・サウンド」に大きな影響を受けており、1966年のアルバム「Pet Sound」はまさにブライアン・ウィルソン流のウォール・オブ・サウンドだろう。

今でこそ、デジタルでエフェクトを掛けたり、マルチトラックで何トラック重ねても劣化が起きなかったりと、ウォール・オブ・サウンドを作り上げることはたやすくなったかもしれないが、当時としては画期的な発想だったに違いない。筆者は若かりし頃、カセットテープの4トラックMTRを使って宅録をしていたが、ピンポン録音のたびに音が劣化していくし、ピンポンの段階である程度のミックスを固める必要性もあったりと、本当に難しいのだ(もちろんプロ仕様のテープとカセットテープでは別物だが)。

そんなフィル・スペクターが1月16日にこの世を去ったという。プロデューサーとして名声を得た彼だったが、アーティストとの対立も多く、またドラッグに溺れてしまったりと、第一線で活躍した時期は短いのが実情だ。挙げ句の果てに2003年には殺人事件で収監され保釈されたが、2009年から獄中生活を続けていた。そして、新型コロナウイルスによって、収監先の刑務所で息を引き取ったということ。81歳だった。プロデュースワークよりもどうしてもトラブルの方が目立ってしまう人物ではあったが、彼が「音」に対してこだわり、こだわり抜いていたことは事実。何事においても「こだわる」という部分を忘れてはいけない、そんなことを思った。

(NO.16編集部)

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