Disclosureのニューアルバム「ENERGY」がリリースされた。
Kelis、Slowthai、ケラー二、Common、Fatoumata Diawaraなど、豪華な客演陣を揃えた、極上のダンスアルバムだ。
しかし、ここ最近のエレクトロ・ミュージックの音の流れを見ると、やはりサウンド自体が回帰しているように感じることがある。例えば、このディスクロージャーのアルバムに関しても、先行してリリースされていた「Energy」や「Douha(Mali Mali)」といった曲は、アフロを感じさせる音になっている。ダンスミュージックも、遡っていけばプリミティブなダンスミュージックとしてアフリカが原点と言っても過言ではないだろう。人類の原点もアフリカが起源とされている点も重要かもしれない。また、「Ecstasy」では、2000年前後のハウス / フィルターハウスを彷彿とさせる。他にも、アルバムに収録されている「Lavender 」「Ce n’est pas」も、ハウスだ。90年代〜2000年代にかけて、ダンスミュージックの中でも隆盛を極めていただろう。
また「Who Knew?」や「Birthday」と言ったトラックは、これまた2000年前後に盛り上がった2step/UKガラージである。2stepに関しては、独特なリズムで高揚感を煽る新しいカテゴリではあったが、R&Bとの相性が良すぎたのか、徐々に突出したサウンドではなくなり、R&Bのサブジャンル的なリズムとして吸収され、聞こえなくなっていった。
ハウスに関しても、ZEDDやAviciiと言ったEDMのプロデューサーがヒットを飛ばし、硬質なサウンドへと傾倒していき、さらにはメインストリームのエレクトロミュージックのBPMが下がっていく中で、ハウスに当たったスポットライトも外れていった。
しかし、このハウステイストの音や2stepのリズムが、ここ最近耳にするようになってきた。ハウスはEDMよりも丸みと温かみを感じる音だったり、2stepはラップとの親和性が高いジャンル、という部分でも今にフィットする部分はあるのかもしれない。
それにしても、そんなテイストをぎゅっと盛り込んだディスクロージャーのニューアルバムは聞いていて気持ちい。
(NO.16編集部)