(情報提供: SONY MUSIC JAPAN INTERNATIONAL)
ジャニス・ジョプリン(Janis Joplin)にとって最後のスタジオ・アルバム『パール』が、そのリリースから50周年を迎えた。オリジナル盤は1971年1月11日、それはジャニスが他界した1970年10月4日の3カ月後、そして28回目の誕生日になるはずだった1月19日の8日前に発売された。『パール』はジャニスが残した最後のスタジオ録音作として愛され、いまも絶大な影響力を誇るアーティストが秘めていた、カントリー、ソウル、ブルース、ロック・シンガーとしての多様な可能性を示唆した作品でもあった。
(Photo: Barry Feinstein Photography, Inc.)
『パール』発売50周年を記念し、JanisJoplin.comは同作のジャケットを飾る象徴的な写真をはじめ、数々のセレブを撮影したことで知られる名カメラマン、バリー・ファインスタインの遺産管理団体とコラボしたカプセル・コレクションをリリースする予定で、詳細は近々発表される。また、米クリーヴランドにある博物館、ロックの殿堂は現在、ジャニスおよび『パール』などをテーマとした特別展示を予定しており、2021年5月21日開催に向け準備中だ。
また、ジェネシス・パブリケーションズとジャニス・ジョップリン・エステートは新刊書『Janis Joplin: Days & Summers – Scrapbook 1966-68』(日本版発売未定)を部数限定で出版すると発表した。そのキャリアを通じて、ジャニスは一躍世界的名声を得た日々や、60年代カウンター・カルチャーの隆盛に関する記録をこまめにつけていた。さらにその間、さまざまなポスターやグッズ、記事の切り抜き、写真、レコードなども収集し、その多くに注釈/メモを残していた。それらのほか、同書には故郷の家族に宛てた手紙や、家を出る前の1956~59年、高校時代に作ったスクラップブックなど、今回初公開となるプライベートなお宝の数々も掲載される。ジャニスをよく知る人々や、彼女から大いに影響を受けた者たちがコメントを寄せており、稀代のシンガーが送った尋常ならざる生涯の新たな、魅力的一面を、深みを湛えた文章により浮かび上がらせる。
『パール』は、フェスティバル・エクスプレス(グレイトフル・デッドやザ・バンドらと共に、列車でカナダ各地を巡った1970年の伝説的ツアー)でジャニスのバックを務めたグループ、フル・ティルト・ブギー・バンドと録った唯一のアルバムであり、彼らが同ツアーでオーディエンスに披露した曲群の正式なスタジオ録音などが収められている。
ビルボード・アルバムチャートで9週にわたり首位に輝いたこの傑作では、ジャニス作品の中でもとりわけ馴染み深い、人気の高いパフォーマンスが聞ける。クリス・クリストファーソンのカヴァー「ミー・アンド・ボビー・マギー」、彼女にとって最後の録音となった即興の“アカペラ”「ベンツが欲しい」などだ。いずれのデジタル・シングルも近年RIAAの認定を受けており、前者はゴールド&プラチナを、後者はゴールドを獲得している。
『ザ・パール・セッションズ』 発売時の紹介映像
クワドラプル・プラチナ(プラチナ×4)に認定された『パール』をはじめ、ジャニスのアルバム群は、ベスト盤を含め、米国で合計17のプラチナと3つのゴールドを獲得している(売上枚数に換算すると、約1850万枚)。『グレイテスト・ヒッツ』は2019年11月22日にノナプル・プラチナ(プラチナ×9)を獲得し、「心のかけら」(ビッグ・ブラザーズ&ホールディング・カンパニー名義で発売された、1968年の大ヒットアルバム『チープ・スリル』収録の出世曲)も先頃、プラチナに認定された。ジャニスの全アルバムの世界における累計売上枚数は、実に3100万枚を超える。
2021年4月、コロムビア/レガシーは「最高のレコード・クラブ」ヴァイナル・ミー・プリーズ(VMP)と提携し、『パール』の50周年コレクターズエディションを180gホワイト“パール”ヴィニールで発売する。
さらに、2021年7月にはモービル・フィデリティ・サウンド・ラボと提携し、『パール』の限定50周年記念エディション、ウルトラディスク・ワンステップ(ULTRADISC ONE-STEP)180g 45回転2LPボックスセットを発売する。これは、オリジナル・マスターテープをモービル・フィデリティ独自のワンステップ・プロセスでマスタリングし、レコード・テクノロジー・インク(RTI)で新素材MoFi Super Vinylにプレスした、究極の音質を約束するもので、ジャケットは豪華な箔押し仕様となる。
ハチェット・ブック・グループ傘下の一社、ランニング・プレスは4月20日、『Baby Janis: A Book about Nouns』を発売する。これは、可愛らしく描かれた有名ロックスターを通じて幼児に色や言葉を教える絵本シリーズ「Baby Rocker」の新刊で、 同書では“ベイビー”ジャニスの目を通して、さまざまな名詞や独創的な考えを学ぶことができる。
また、ジャニス・ジョップリン・エステートはZ2コミックスと提携し、リア・ムーア著のグラフィックノベル『Pearl Comix』を発売する。こちらは各章が『パール』収録曲にインスパイアされた一冊で、世界のさまざまな女性アーティストが作画を担当している。
◆ 作品情報
ジャニス・ジョプリン
『パール』 1971年作オリジナル拡大版
● 品番:SICP-30048
● 価格:¥1,800+税
* 解説・歌詞・対訳付
* Blu-spec CD 2
<トラックリスト>
01.ジャニスの祈り
02.クライ・ベイビー
03.寂しく待つ私
04.ハーフ・ムーン
05.生きながらブルースに葬られ
06.マイ・ベイビー
07.ミー・アンド・ボビー・マギー
08.ベンツが欲しい
09.トラスト・ミー
10.愛は生きているうちに
<ボーナス・トラック>
11.テル・ママ(ライヴ)
12.リトル・ガール・ブルー(ライヴ)
13.トライ(ライヴ)
14.クライ・ベイビー(ライヴ)