ダブステップ特集
ダブステップとは、2ステップのダブミックスにブレイクビーツやドラムンベースの要素を加えたものが始まり、と言われています。
そこから派生して、ポスト・ダブステップ、ブロステップと呼ばれるものまで細分化されているようだが、おそらく明確な基準、区切りというのは存在していないのではないだろうか。
スクリレックス
Skrillex Scary Monsters and Nice Sprites
ダブステップ、と聞いて、まず真っ先に名前が浮かぶアーティストの1人が、スクリレックスではないだろうか?厳密には、うねるようなベース音を取り入れたブロステップ、と言う音らしい。もともとパンクバンドのヴォーカルだったが、喉を痛めてソロ活動に転向。2009年にソロとしては初のEPをリリースし、それから3年後の2012年にはグラミー賞を受賞している。
「Scary Monsters and Nice Sprites」は2012年にリリースされて、グラミー賞の最優秀ダンス/エレクトロニカ・アルバム賞を受賞したEP『Scary Monsters and Nice Sprites』のタイトルトラックで、彼の代表曲の1曲でもある。特徴でもあるワブルベースがうねっている。
ブリアル
Burial Archangel
ダブステップの代表的なアーティストでもう1人、名前が挙がるのが、ブリアルだろう。スクリレックスが、よりEDMに近いダブステップを構築していったとすれば、ブリアルはどちらかというと、2ステップ/UKガラージのサウンドを引き継いでの、ダブステップだろう。「ダブステップ」の名前の通り、ボーカルに深いエコーをかけるダブ的なアプローチも聞くことができる。
顔を出さないプロデューサーでもあるらしいが、この「Archangel」は、2012年のアルバム『Untrue』からの1曲だ。
No Time
Barely Alive No Time
2013年にアメリカ、マサチューセッツ州で結成された2人組ユニット。新たなダブステップのアイコンとして注目を集めているという。2015年にリリースされたアルバム『We Are Barely Alive』では、バキバキのワブルベースを使った曲がラインナップされているが、この「No Time」という曲は、ブリアルのように、リズムや音に2ステップ/UKガラージの雰囲気を残している1曲。
James Blake
James Blake Air & Lack Thereof
ダブステップの中でも、ポスト・ダブステップと呼ばれるサブジャンルの代表的アーティストの1人だ。まだ10代の頃に、ロンドンのクラブでグライムやガラージを耳にして、衝撃を受けたという。とはいえ、彼が作る音楽は、よりアンビエントなエレクトロニック・ミュージックになっている。2ステップやUKガラージとの関わりは皆無のように感じるが、2009年に彼がリリースした、「Air & Lack Thereof」は、正真正銘、UKガラージから生まれたダブステップだと、わかるはずだろう。
マウント・キンビー
Mount Kimbie Audition
ポスト・ダブステップのアーティストとしてここ数年、注目を集めているのがマウント・キンビーだ。ジェイムス・ブレイクとも親しい友人関係というドム・メーカーと、カイ・カンポスの2人から成る。すでに彼らの音はジャンルレスの領域に達している。エレクトロ、インディーロック、ダブ・・・・おそらく、アーティストのほとんどが、「ジャンル」にとらわれずに音楽を作っているのだろうが。そんなマウント・キンビーの曲の中でも、イントロはダブ、そのあとはダブステップ、もしくはインディー・ロックという、曲が「Audition」だ。
聞けば聞くほど、ダブステップとは一体、どんなサウンドなのか、というのが、
一言では説明できなくなっていく。