<特集 – JAZZ HIP HOP>
ロニー・リストン・スミス/Expansions
TALKIN’ ALL THAT JAZZ STETSASONIC
1981年、ニューヨーク ブルックリンで結成されたHIP HOPバンド。10年の活動期間で3枚のアルバムしか残してないが、こちらは1988年、2枚目のアルバム「IN FULL GEAR」からの1曲。
バンドスタイルでヒップホップをプレイするスタイルの先駆け。
そんなスタイルの中でも、この曲はベースラインに、ロニー・リストン・スミスの「Expansions」という曲のベースラインをサンプリングしている。また、曲中に漂うトランペットもどことなく、マイルス・デイビスを意識しているように聞こえる。
ア・トライブ・コールド・クエスト
DESCRIPTION OF A FOOL A TRIBE CALLED QUEST
2016年にリリースした18年ぶりのアルバムでも、日本人ジャズ・キーボーディスト、BIGYUKIが参加したことで話題を集めたが、デビュー当初からジャズへのアプローチを持っていたのが、ア・トライブ・コールド・クエストだ。
1990年のデビューアルバムでは、キャノンボール・アダレイなどのジャズをサンプリングして注目を集めた。この曲もデビューアルバムからの1曲で、
ロイ・エアーズの「RUNNING AWAY」を大胆に使っている。
ケロ・ワン
IN ALL THE WRONG PLACES KERO ONE
カリフォルニア出身のラッパー、ケロ・ワン。メロディアスなトラックに、聴きやすいラップをのせるサウンドが、日本人にも馴染みやすいアーティストではないだろうか。2006年にリリースされたこの曲は、軽快なジャズドラムにAhmad Jamalの「Dolphin Dance」のピアノをリフレインさせた、これぞJAZZ HIP HOP、という1曲。
ロバート・グラスパー
BLACK RADIO FEAT.YASIIN BEY ROBERT GLASPER EXPERIMENT
こちらはジャズサイドから、ヒップホップへのアプローチ。かつてはマイルス・デイビスがヒップホップアルバムをリリースしたこともあったが、子供の頃からR&B、HIP HOPを聞いて育ったジャズ・ミュージシャンは、自然と自分の音楽にもそういった要素が入ってくるようだ。ジャズ・ピアニスト、ロバート・グラスパーは、エリカ・バドゥやミュージック・ソウルチャイルド、ビラルといったシンガーとコラボしている。そして、2012年のアルバム「BLACK RADIO」のタイトルトラックでは、MOS DEFの名前でも知られるヤシン・ベイをフィーチャーしている。
フライング・ロータス
MORE FEAT.ANDERSON .PAAK FLYING LOTUS
最後にピックアップするのは、DJでもあるフライング・ロータスの最新アルバム「FLAGMA」からの1曲。フライング・ロータスは、ジョン・コルトレーンの甥でもあり、その遺伝子にジャズが刻まれているが、彼の表現方法はエレクトロからのアプローチ。しかし、そのサウンドにはやはりジャズ、フリージャズが色濃く現れている。「MORE」では、シンガー、ラッパーとして活躍しているアンダーソン・パークをフィーチャーしている。