BBC SOUND OF 2019特集
毎年、イギリス国営放送のBBCが、翌年活躍しそうなアーティストを紹介しているが、その2019年版「BBC Sound Of 2019」のロングリストが発表された。
今回は、そのBBC Sound Of 2019からピックアップ。
エラ・メイ
Boo’d Up   Ella Mai
イギリス、ロンドン出身の24歳、エラ・メイ。「エラ」という名前は、エラ・フィッツジェラルドから取られた名前ということ。12歳の時にアメリカに渡り、高校を卒業したのち、イギリスに帰国。Sound Cloudに楽曲をアップしていたところ、DJマスタードに見出され、彼のレーベルと契約。Epなどのリリースを重ね、今年は、ビヨンセとJay-Zのコンサートに出演したり、ブルーノ・マーズのツアーのサポートアクトを務めるなど、その勢いは加速している。
12月19日にデビューアルバムがリリースされたが、それに先駆けて、第61回グラミー賞で2部門にノミネートされた。
マーク・ロンソン レーベル
Boo’d Up Ella Mai
日本のアイドルグループではない。アメリカ、ニューヨークはブルックリンを拠点に活動しているシンガーソングライター。DJ、プロデューサーとして知られているマーク・ロンソンの立ち上げたレーベル第1弾のアーティストが、19歳の彼女だ。レズビアンの恋愛を歌った「1950」という楽曲が話題を集め、ハリー・スタイルズがツイッターでこの曲の歌詞を引用するなど、反響を呼んでいる。
カルヴィン・ハリス
1950 King Princess
最近の音楽マーケットを見てみると、チル系のエレクトロサウンドが席巻している。ロックバンドの存在感というのは、昔に比べるとかなり薄いものになってきている。もちろんバンドも数多く活躍しているが、サウンド面ではやはりエレクトロの要素を取り入れるバンドが増えている。そんな中でも、このSea Girlsは、「ロックバンド」の音を出している。先ごろ久々にアルバムを出したレイザーライト直系のインディーロックだ。ロンドン出身のこの4人組が、UKロックをひっぱる存在になっていくのか、今後の活動に注目だ。
オクタヴィアン
All I Want To Hear You Say Sea Girls
22歳、アフリカにルーツを持つラッパー、オクタヴィアン。Drakeが彼のリリックをインスタグラムで引用したこともあり、大きな注目を集める存在となっている。イギリスのラップ・ミュージックといと、アメリカとはやはりサウンドが大きく異なってくる。彼のサウンドも、アメリカのようなヒップホップはもちろん、グライム、ダンスホールなどあらゆるものを貪欲に取り込んでいる。最近、2ステップ・サウンドを取り入れるアーティストがまた少しずつ目立ち始めているが、このLightningもグライム、ガラージ、2ステップ、といったあたりのサウンドを、2019年版に咀嚼している。
ダーモット・ケネディ
Power Over Me Dermot Kennedy
ダブリン出身のシンガーソングライター、ダーモット・ケネディ。今年のSXSW(サウス・バイ・サウス・ウェスト)で、ヒップホップ・グループのザ・ルーツと共演したという経歴の持ち主。
ちょっとかすれ気味なヴォーカルに、少し影のあるサウンド。どことなく、ケルトの香りもただようその楽曲は、エド・シーランにも通ずるものがある。エド・シーランの活躍を見れば、彼が世界でブレイクするのも、夢物語ではないようにも思う。