<特集 – 2020年代のロック>
2020年から2021年に時代が移り、新しいディケイドがどんな10年になるのか。音楽で見ると、エレクトロやラップミュージックが全盛だが、そんな中での2020年代のロックをピックアップ。
THE 1975
PEOPLE THE 1975
イギリスのロックを牽引する存在といえば、今は彼らが筆頭ではないだろうか?キャッチーなメロディ、中性的なルックス、エレクトロを取り入れたサウンドなども相まって、ポップなイメージがついているかもしれないが、時折見せるパンクな側面は、なかなか衝撃的だ。2020年リリースのアルバム「NOTES ON A CONDITIONAL FORM」NI収録されたこの「PEOPLE」も、いい意味でTHE 1975らしくなく、かっこいい。さらに彼らのパフォーマンスを見れば、引き込まれるに違いない。
TASH SULTANA
GREED TASH SULTANA
タッシュ・サルタナは、オーストラリアのシンガーソングライター。ジミヘンの再来、とも言われるそうで、最近のシンガーソングライターにとっては必需品ともなっているループマシンを使ってのパフォーマンスや、そのギターテクニックにも注目が集まっている。今年の2月に2枚目のアルバムをリリース。ロックだけでなく、ファンク、ソウル、ヒップホップなどあらゆるジャンルを吸収して吐き出す感覚も、2020年代ならではなのかもしれない。
FIONA APPLE
SHAMEIKA FIONA APPLE
90年代の洋楽が好きな人であれば、「フィオナ・アップル」という名前を知っている方も多いだろう。まだ音楽活動をしているのだ。それどころか、2012年以来となるアルバムリリースとなった去年リリースのアルバム「FETCH THE BOLT CUTTERS」は、第63回グラミー賞で「BEST ALTERNATIVE MUSIC ALBUM」を受賞してしまっているのだ。ストレートなロック、というよりは、ちょっとぶっ飛んでいる感じなのは、相変わらずだが、次は8年も開けずに、2020年代にまたリリースしてほしいものである。
INHALER
CHEER UP BABY INHALER
インヘイラー。このバンドは、もしかしたらこの10年を代表するバンドとなるかもしれない。フロントマンのイライジャ・ヒューソンは、あのU2のボノの息子なのである。もちろん、それだけで売れるほど甘い世界ではないが・・・
かつてのガレージ・リバイバルの雰囲気もありつつ、最新シングルの「HEER UP BABY」で聞かせてくれるストレートなロックと、キャッチーなメロディー、そしてやはりどことなくボノに似ている声。これからが楽しみなバンドである。
BLACK COUNTRY,NEW ROAD
TRACK X BLACK COUNTRY,NEW ROAD
U2ボノの息子擁するインヘイラー以上に、UKロック界で今、最も注目を集めているのが、彼らかもしれない。メンバーが7人と大所帯で、使っている楽器もスタンダードなギターやベース、ドラムにとらわれない編成もあり、これまでの枠にはめられない自由な音楽性だ。ポストロックや、ジャズ、さらにはミニマルミュージックのようにも聞こえてくる。イギリスではレコードデビュー前にも関わらず、ライブのチケットが完売するほどの注目度の高さだったとか。ストレートに日本でヒットするかは置いておいて、注目しておいて損はないバンドだろう。