<特集 – ガールズロック>
ここ数年は、エレクトロ、ヒップホップサウンドがヒットチャートを席巻しているが、最近、ロックサウンドも少しずつ耳にするようになってきた。その中でも、ガールズロックに注目してみたい。
シカゴの3人組
BILLY HORSEGIRL
シカゴを拠点に活動している、女性3人組のバンド、ホースガール。シューゲイザー感溢れる、ディストーションを聞かせたギターと、淡々と刻むドラム、そしてどこか憂いのあるヴォーカルと、力強さと繊細さを併せ持ったようなバンドだ。結成は2019年で、メンバーはまだ10代ということ。海外メディアでは「ロック・ミュージックが最も素晴らしく、楽しい音楽であることを思い出させてくれた。」とまで絶賛されているそうだ。
日本とも繋がり
OH! THE LINDA LINDAS
かつて「CHERRY BOMB」で世界的なヒットを飛ばしたガールズバンド、ランナウェイズを彷彿とさせるストレートなロックを聴かせてくれるのが、リンダリンダズ。メンバーはアジア系、ラテン系アメリカ人の四人。そして、気になるバンド名だが、やはり日本のバンド、ブルーハーツの曲「リンダリンダ」から、もしくは、この曲がタイトルの由来となっている日本の映画「リンダ リンダ リンダ」から来ているということで、
日本とも浅からぬつながりがある。
イギー・ポップも太鼓判
WET DREAM :WET LEG
ロックフェスでも有名な、イギリスのワイト島出身のリアンとへスターの二人からなるバンド、ウェット・レッグ。2021年6月にデビューを果たしたばかりだが、パンクのゴッドファーザー、イギー・ポップが彼女たちを絶賛している。SOUND OF BBC 2022にも選ばれており、さらにアメリカのテレビ番組に出演し、パフォーマンスも披露するなど、注目度の高さはかなりのものとなっている。
リアリティ番組も
HER BODY NASTY CHERRY
ナスティ・チェリーは、チャーリーXCXのレーベルから2019年にデビューしたバンド。 ドラムのデビーは、チャーリーXCXのライブでもバックバンドを担当しているということで、実力は折り紙付だろう。彼女たちがどのように生まれ、楽曲を作り、苦悩しながら活動をしているのかが、なんとNetflixの映像コンテンツとして配信もされている。ある意味でこれだけ注目されているということは、アドバンテージでもあり、足枷でもあるだろう。彼女たちの楽曲が、もっと聞こえてくるようになるのか、注目したい。
新たなロックプリンセス?
good 4 u OLIVIA RODRIGO
2021年を代表するアーティストの一人でもある、オリヴィア・ロドリゴ。彼女はシンガーソングライターであり、決して「ロック」を志向しているわけではないだろうが、
彼女がロックに勇気を与えたのは確かだろう。アルバムに収録されたこの「good 4 u」ストレートなロックナンバーで、全米・全英シングルチャートで1位を獲得した。かつて、自身もロック・プリンセスと呼ばれたアヴリル・ラヴィーンも、オリヴィアを「チャートにロックを帰還させた」と、絶賛している。もちろんデビューでこれだけヒットをさせてしまうと、次にどんなサウンドを持ってくるか大いに悩むであろうが、まだ18歳。伸び伸びとやって欲しいものである。