<特集 – 2022年注目アーティスト>
2022年、注目を集めそうな洋楽アーティストを独断と偏見でピックアップ。
BEST NEW ARTISRノミネート
FAMILY TIES with KENDRICK LAMAR BABY KEEM
第64回グラミー賞でBEST NEW ARTISTにノミネートされたラッパー。ケンドリック・ラマーの愛弟子とも言われており、まだ21歳という若さだがカニエ・ウエストのニューアルバムや、ドレイクのリミックス版でもコラボしており、ラッパーの間でも評価が高いのがわかる。ケンドリックのように語るようなラップだったり、ドレイクのようなメロディのあるラップだったりと、そのスタイルもアルバムの中で様々な色を見せてくれる。アメリカでは、ここ最近若手のラッパーが出てきては、若くして命を落としてしまうという悲劇が続いている。彼がそんなことにならないよう祈りたい。
タミル人の血を引く
GOOD LOVE 2.0 PRIYA RAG
南インド、そしてスリランカ北部に住んでいるタミル人の血を引くシンガー、プリヤ・ラグ。彼女は現在、カナダを拠点に活動している。彼女のプロデュースは実の兄が手がけており、その関係性はビリー・アイリッシュを彷彿とさせる。この「GOOD LOVE 2.0」のように洗練されたR&Bサウンドをメインにしているが、アルバムの中にはインドを感じさせるメロディや歌い方だったり、タブラの音が入っていたりする楽曲もあり、自分自身のルーツをとても大切にしていることが伺える。現代のキーワードでもある「多様性」を象徴するようなアーティストの一人かもしれない。
ポストロック
THE OVERLOAD :YARD ACT
ここ最近、イギリスではバンドがまた元気になってきているように感じられる。とはいえ、スタンダードなロックバンドと言うよりは、総じてロックだけじゃなく、ジャズやエレクトロ、ヒップホップといった要素を併せ持つ「ポスト・ロック」だ。イングランド、リーズ出身のバンド、ヤードアクトもそんな新世代のバンドの一つだろう。まるでトーキング・ヘッズの「Once In A Lifetime」を彷彿とさせるような、語りと歌が混ざり合う独特の世界観を生み出している。PRIYA RAGとともに、SOUND OF BBC 2022に選ばれている。
ベーシストでシンガー
WHISPER MY NAME ADELINE
パリ生まれでニューヨーク、ブルックリンを拠点に活動しているシンガーで、ベーシストでもあるアデュリーン。デビューは2018年だが、2021年に3枚目のアルバムをリリースしている。ベーシストでシンガー、という部分でエスペランサ・スポルディングとも重なる部分があるのだが、エスペランサがどちらかというとジャズ寄りだが、アデュリーンはソウル/ファンク/ディスコ寄りのサウンドだ。70年代サウンドのリバイバルの波がきていることも含めて、もっと注目されて良いアーティストの一人だろう。
シンガーソングライター・デュオ
TRUE LOVE HOVVDY
アメリカ、オースティン出身のシンガーソングライター・デュオ、ハウディ。そのスモーキーな歌声と、シンプル且つアコースティックメインのサウンドは、コロナ禍の現代人の心に染み入る。キャリアとしては2017年にデビューアルバムをリリースしていて、すでにオリジナルアルバムを4枚リリースしているが、こちらも今後、注目を集めそうだ。