2000年ごろには、音楽の聴き方がここまで変わるとは考えても見なかった。現在、音楽を聴く、となるとストリーミングサービスがスタンダードだろう。今や、音楽をクリエイトするアーティストも、配信が基本的なリリース・フォーマットだ。しかし、ここ最近は、配信 + アナログレコード、という形が出てきている。そう、CDではなく、レコードをフィジカル・メディアとして選択する傾向があるのだ。
それを裏付けるかのように、今年上半期、アメリカではアナログ盤の売り上げがCDを追い抜いたそうなのだ。金額にすると、CDが約138億円に対し、アナログ盤は約246億円と、100億円以上アナログが売り上げが多かったのだ。
皆さんはご自宅にアナログ・プレイヤーはあるだろうか?我が家にはない。しかし、アナログ盤は何枚かある。もちろん聴くことができないが、飾ったりしている。もちろんご自宅で聴いて楽しむという方もいるのだろうが、私と同じようにプレイヤーを持っていない、という方も多いだろう。おそらくそんな方も、飾ったりしているのではなかろうか。サウンド自体はストリーミング・サービスで聴くことができるのがほとんどだ。
よくアナログは「音が深い」と表現されたりもするが、CDでは一定範囲以外の周波数はカットされている。だが、アナログはそういったことがないので、その分、深みがある、と感じるのかもしれない。
ただ、振り返って、CDもあのジャケットサイズは、いいインテリアにもなる。さらに、洋楽の国内盤、というのは昔から歌詞カードや、和訳、解説などが入っている。これを読むのも楽しみの一つだ。筆者はどちらかというとCDは派だったりもする。
何にせよ、このデジタル全盛の時代に、いまだにフィジカル・メディアが売れているというのは、嬉しいニュースだ。もちろん、今回はアメリカでの統計のニュース。日本はCDが売れる国、として知られているが、やはりツイッターなどを見ていても、アナログ盤をリリースするアーティストは増えているように思う。果たして20年後は、どんな音楽の聴き方になっているのか。もはや想像がつかない。
(NO.16 編集部)