トッド・ラングレンの‘Hello It’s Me’ を聴いていたら、大好きなこの映画のことを思い出しました。
「ヴァージン・スーサイズ」
高樹千佳子(cent.FORCE)
MUSIC ON!の音楽番組「TVカウントダウンE.T」、NOTTVの音楽番組「LOVE&ROCK」でMCを勤め、無類の洋楽好きとしても知られる高樹千佳子。そのコアな知識と飽くなき探究心を、NO.16 Columnで好き勝手に披露してもらいます!(週1回更新予定)
The Virgin Suicides Trailer (1999)
フランシス・フォード・コッポラのお嬢さんで、映画監督・女優・ファッションデザイナー(日本でも人気のMILKFED.など) の、ソフィア・コッポラ初監督作品です。(99年) キルスティン・ダンスト、ジェームズ・ウッズ、キャサリン・ターナー、ジョシュ・ハートネットなどが出演しています。
ジェフリー・ユージェニデス原作の小説を映画化したもので、舞台は70年代。美しい5人姉妹の、結末は悲しく衝撃的ですが、彼女達に憧れる近所の少年たちの目を通じてドキュメントタッチで描かれた、瑞々しくて儚い10代の青春映画です。
作品もさることながら、劇中流れる曲が、ストーリーの時代設定や映像にこれ以上ないほどマッチした選曲になっていて、70年代中心の胸キュンな名曲や珠玉のナンバー、ノスタルジックで透明感のある美しい曲の数々が、淡く切なく優しく心に響きます。
クライマックスの、少年たちと姉妹たちが電話を通してレコードでメッセージを伝え合うシーンはもう、、、グッときます。少年たちがトッド・ラングレンの‘Hello It’s Me’をかけると、姉妹たちがギルバート・オサリバンの‘Alone Again (Naturally)’をかけて返答するところ、、、この映画で一番好きなシーンです。
Todd Rundgren – Hello It’s Me (1972)
Gilbert O’Sullivan – Alone Again (Naturally)
美しい旋律が際立つ稀代のメロディメーカー、トッド・ラングレンの曲は、もう1つ‘A Dream Goes On Forever’ も使われていて、他にも10ccの‘I’m Not In Love’ (この曲が使われるハイスクールのダンスシーンも素敵です!)、ハートの‘Magic Man’、‘Crazy On You’、フランスのポップユニットであるエールや、アル・グリーン、ザ・ホリーズ、スローンの楽曲などが使われ、サウンドトラックに収録されています。欲を言えば、キャロル・キングの‘So Far Away’ も入れてほしかったですけど…、、この曲はサントラに入っていないんですよ。。これが入っていれば完璧だったかしら笑
Todd Rundgren A Dream Goes on Forever
I’M NOT IN LOVE – 10cc
HEART – Magic Man (1976)
Heart-Crazy On You
Carole King – So Far Away (Audio)
そして、ジャケもいいんですよー!!うぉ?、ガーリー☆ アナログも欲しいんですが、もう廃盤のようで…泣
ソフィア・コッポラ監督作品は、ガーリーな世界観が特徴的で女性にも人気が高いですが、劇中使われる曲の選曲が秀逸なんです♪
アカデミー賞脚本賞を受賞した03年の「ロスト・イン・トランスレーション」(スカーレット・ヨハンソン、ビル・マーレー出演) では、シューゲイザーのマイ・ブラッディ・バレンタインやジーザス・アンド・メリー・チェイン(‘Just Like Honey’!最高!)など、そして再びキルスティン・ダンスト主演の「マリー・アントワネット」ではストロークスやニュー・オーダー、ザ・キュアー、スージー&ザ・バンシーズ、レディオ・デプト、エイフェックス・ツインなどなど、洋楽ロック好きにはたまらない選曲。
ソフィアの現在の旦那さんが、フランスのバンド、フェニックスのヴォーカルのトーマスということもあって、フェニックスの楽曲もよく使われています。
ご覧になったことがない方は、ぜひソフィア・コッポラの作品を観て、音楽も堪能し、サントラをチェックしてみてください!