全世界トータル楽曲再生100億回、ビデオ再生70億回、そして昨年のチケット売り上げ枚数が200万枚を超えているザ・チェインスモーカーズ(The Chainsmokers)が、昨日6月7日(木)、幕張メッセにて初の“LIVE SET”での大規模ジャパン・ツアー初日公演を開催、集まった2万人の観客は驚喜乱舞、そして大合唱の連続となった。
(情報提供:SONY MUSIC JAPAN INTERNATIONAL)
<ザ・チェインスモーカーズ来日公演ライブ・レポート>
2018年6月7日(木) 幕張メッセ
昨年9月に開催された<ULTRA JAPAN 2017>以来、約9ヶ月ぶりにザ・チェインスモーカーズが日本に再上陸。日本では初となる“LIVE SET”による計3万人を動員する大規模なヘッドライナー公演を、6月7日(木)幕張メッセで行なった。
20時を少しまわった頃に、ドリューとアレックスのメンバー2人が登場し、のっけからバキバキEDMのDJタイムでスタート。彼らの初期ヒット「ドント・レット・ミー・ダウン」や「インサイド・アウト」などを混ぜ込みながら、激しいアッパー・チューンで圧倒。目まぐるしく変わるライティングやカラフルかつ眩い映像、スモークなどの特効を立て続けに投下して先制する。今回のツアーにはサポート・メンバーのドラマーも参加。そのドラマーと共にドリューが歌を、アレックスがキーボードをプレイして、3人編成のバンド形態となってみたり、DJプレイ中もドラマーが加わったりと、自由自在に演奏スタイルを変えていく。さらにパパ・ローチや、ザ・キラーズの「ミスター・ブライトサイド」、ドラマチックに振り切ったクランベリーズの「ゾンビ」のカヴァーも終盤には飛び出し、いきなりロック度がアップすることもしばしば。彼らの手に掛かれば、ロックであろうとEDMであろうと、瞬時にパーティ・チューンと化してオーディエンスを熱狂の坩堝に放り込む。
ドリューの甘い歌声に癒された「パリ」や「シック・ボーイ」では、自然と合唱が巻き起こり、「オール・ウィ・ノウ」ではドリューがオーディエンスのいるフロアに降り、駆けずり回ってファンとハイタッチ。そしてアレックスのピアノやドラマーのソロなど、ライヴならではのスペシャルな瞬間もあれば、全員でジャンプしたり、両腕を突き上げて左右に振ったりといった一体感もあり、ライヴならではの醍醐味が続いた。しかし、やはり最大のハイライトと言えば、「クローサー」と「サムシング・ジャスト・ライク・ディス」という2大ヒットでの盛り上がりだろう。ほとんど絶叫とも言える大声で大合唱が巻き起こったのには、本人たちも驚いていた様子。「アジアで一番クレイジーなショーだったよ」とMCしていたほどだった。
ラスト・ナンバーの「エヴリバディ・ヘイツ・ミー」まで、あっと言う間の90分。まるでジェットコースターに乗っているかのようにスリル満点で、1つとしてオリジナルのままプレイ/パフォーマンスせず、全曲を彼らならではのアレンジで息もつかせぬサプライズの連続だった。フューチャー・ベースからトラップ、バウンス、ビッグ・ルームに至るまでのEDM系は勿論、ポップやロック、ヒップホップまでを飲み込み、ライトや映像、紙吹雪や火柱など、ありとあらゆるエンタメ要素を詰め込んだ彼らのライヴ。いささか欲張りすぎのようだが、支離滅裂とならないのは、全てが彼らのフィルターを通されているからだろう。彼らの大ヒット・アルバム『メモリーズ…ドゥー・ノット・オープン』には”開けちゃダメ”なんて玉手箱のようなフレーズが付けられていたけれど、この夜のライヴでは全開で全てを出し切ってくれたザ・チェインスモーカーズ。彼らの思う”楽しいこと”がギッシリ凝縮されたテンコ盛りのライヴには、汗だくのファンも大満足のようだった。
(文: 村上ひさし)
全米チャート初登場1位を記録するなど世界中で大成功をおさめた初のフル・アルバム『メモリーズ…ドゥー・ノット・オープン』をリリースした昨年とはまったく違うかたちで、2018年は1月から4か月連続で新曲を発表し、今後も連続リリースを重ねて今年の後半にはそれらをすべて収録したアルバムを完成させる計画をすすめるザ・チェインスモーカーズ。現代最高のヒットメイカーでもあり、DJとバンド・セットを組み合わせ、息つく間もなく強く・激しく交錯していく独自のパフォーマンスでも世界中を熱狂させ続けるライブ・アクトへと進化を遂げている。
本日6月8日(金)、インテックス大阪にて最終公演が行われる。