これまでに発売された4作のオリジナル・アルバム全てが、UKアルバム・チャートのTOP10入りを果たしている、英オックスフォード出身のバンド、フォールズ(Foals)。10年を超えるキャリアを経て、2枚の驚異的な新作『エヴリシング・ノット・セイヴド・ウィル・ビィ・ロスト』を今年発売、その“パート1”が3月8日(金)に日本リリースされることが決定した。
(情報提供: SONY MUSIC JAPAN INTERNATIONAL)

(Photo: Alex Knowles)
“パート2”は秋に続く予定。個別にリリースされながらも関連のある対となる今作は、共通のタイトル、テーマ、アートワークを擁する。
新作からの最新シングル「イグジッツ」のミュージック・ビデオも公開となった。
「イグジッツ」
深いつながりを持ちながらもそれぞれ独自のパーソナリティを持つ2つの作品は、ヤニス・フィリッパケス(ヴォーカル、ギター)、ジミー・スミス(ギター)、ジャック・ビーヴァン(ドラムス)、エドウィン・コングリーヴ(キーボード)によって完成するフォールズ史上最強に説得力と野心にあふれ、一体感のある状態をとらえている。
自身の心から徐々に乖離してきた従来のポップ・ソングの構造の打破することに意欲的な彼らの放つ20曲は期待を裏切ってくれる。ときに10分を超える探索的でプログレ感のある楽曲もあれば、独特の趣を持つ楽曲が続く箇所もあり、単なる楽曲のコレクションというよりは音楽を体験できる作品となっている。それでいて、怒涛のグルーヴと印象的なパワーを巧みに操るという彼らの名高い能力が新たな高みに達しているのだ。
アルバムのリード・シングル「イグジッツ」がその好例である。フィリッパケスがつい歌ってしまいたくなるヴォーカルのメロディにより、方向感覚を失わせる世界のイメージを作り出す。フォールズの圧倒的な武器へのフレッシュなアンセムであると同時に、不吉な未来の予測でもある曲である。
「世界がもう昔みたいに暮らすことができない場所になっているという確固たる考えがあるんだ」とヤニスは言う。「不吉な危険のようなもの、予測の出来なさ、それから対峙する門外の大きさに圧倒されてしまうような感覚。反応はどんなものになるのか?そしてひとりの個人がし得る反応の意図は何なのか?ということだね」。
「イグジッツ」は『エヴリシング・ノット・セイヴド・ウィル・ビィ・ロスト』からテーマ的に予期できるものを示唆している。タイトルはほんの一瞬のインスピレーションのひらめきから、この惑星自体の生物的多様性まで、どんなことも不可逆的に消し去られてしまう危険にさらされ得るという警告なのである。
そして、それはフォールズが今の文化的風潮に誘発された世間のノイローゼを描写する、このアルバムの題材全体に通じるテーマである。国家による監視のパラノイアは?環境破壊の恐怖は?圧倒的な不安感は?どれもこれらの黙示録的な曲の中で歌われている。
それが特に顕著なのが陶酔的な「イン・ディグリーズ」。人々が互いに言葉をかけ合う能力をゼロにされてしまった未来を想定した曲である。このアプローチは「シロップス」や、“パート1”を絶望的に締めくくる2曲「サンデー」と「アイム・ダン・ウィズ・ザ・ワールド(アンド・イッツ・ダン・ウィズ・ミー)」に最も鮮やかな形でとらえられていると言えよう。
「歌詞的には、今世界で起こっていることと共鳴している部分がある」とヤニスはまとめる。「せめてそういうもののいくつかと向き合うことができないなら、このご時世にミュージシャンであることに有用性なんてないだろう?そんな気がするんだ。これらの曲は白旗、あるいはSOSだったり、助けを求める叫びだったりするんだ。それぞれの形でね」。
新作への軌跡は『ホワット・ウェント・ダウン』時代が終わったところで始まった。結成メンバーのウォルター・ジャーヴァースが2017年8月、ポルトガルのフェスティヴァル・パレーデス・デ・コウラ出演後に脱退、バンドは再充電、再編成、そして究極には再活性化のプロセスの中で、フォールズは彼に代わる者がいないという決断に達した。
短期間のオフを取ったのち、フォールズはヤニスがプロデュースを手がける元に再結集。ヤニスはエドウィンとともにベースのパートも担当した。彼らはリハーサル・スペースで曲を書き始め、その後エンジニアのブレット・ショウの助けにより、それらのスケッチをペッカムの123スタジオで行われたレコーディング段階に持ち込んだ。2ヶ所を行き来するサイクルを繰り返す中で、彼らはあらゆる新しいアイデアをゴールへと押し進めながら、現在進行形のフィードバックのループを効果的に作り上げた。
新作に関してフロントマンのヤニス・フィリッパケスは、「この2作はロケットペンダントの片割れ同士なんだ。それぞれ個別に聴いて楽しむこともできるけど、本質的には対になっているのさ」と語っている。
地元オックスフォードのカオスなハウス・パーティでのギグから全欧の主要フェスのヘッドライナーを務めるに至るまで、フォールズの軌跡は目を見張るものがある。NMEやQアワードの受賞に加え、マーキュリー賞、アイヴァー・ノヴェロ賞、ブリット・アワードにノミネートされるなど、彼らは批評家たちの絶賛を勝ち取ると共に、ゴールド認定されたアルバム4作は合計で170万枚を売り上げ、Spotifyでは2015年以降5億回以上ストリーミングされているなど、ファンに愛され続けている。そして同時代のアーティストの多くが道半ばで挫折してしまった一方、フォールズは新たなピークを極め続けている。
フォールズはこの春の北米ヘッドライニング・ツアーも発表。夏にはイギリスとヨーロッパで数多くの主要フェスティバルに参戦する。
◆ リリース情報
アーティスト:FOALS / フォールズ
タイトル:EVERYTHING NOT SAVED WILL BE LOST PART1 / エヴリシング・ノット・セイヴド・ウィル・ビィ・ロスト・パート1
● 発売日:2018年3月8日
● 品番:SICX-122
● 価格:¥2,400+税
● 仕様:歌詞・対訳・解説付

【収録曲】
01. Moonlight
02. Exits
03. White Onions
04. In Degrees
05. Syrups
06. On The Luna
07. Cafe D’Athens
08. Surf Pt.1
09. Sunday
10. I’m Done With The World (& It’s Done With Me)