5月25日に最後まで残っていた1都3県、北海道に発令していた緊急事態宣言が解除された。これによって、少しずつではあるが社会活動が平常化していくことになるだろう。しかし、東京都の基準によれば、ステップ3まで行ったとしてもライブハウスへの休業要請緩和は行われず、イベントに関しても1000人まで、というリミットが付く。
ここで気になるのは、やはり日本の2大夏フェスの行方だろう。今年はそもそも東京オリンピック・パラリンピックの開催が予定されていたため、フジロックは1ヶ月ほど後ろにずれて8月に開催、サマーソニックは9月に「SUPER SONIC」という別イベントとして開催予定だった。先日、日経新聞が「中止を発表したフジロック・・・」というような文言が入った記事をネット上にアップし、のちに謝罪しているが、現在、どちらのイベントも中止の発表はされていない。むしろ、SUPER SONICに関しては先週第2弾のアーティストが発表されたくらいだ。
とはいえ、多くの音楽ファンの正直な意見としては、今年は無理なのではないだろうか、というところだと思う。フジロックもSUPER SONICも基本的には野外ステージとなるのが唯一の救いだが、例年集まるオーディエンスの数は相当数になる。2019年のフジロックは前夜祭からのべ13万人、サマソニは東阪合わせて30万人だ。ワクチンや特効薬がない現状で、感染の有無がわからない状態の人がこれだけ集まると、やはりクラスターになる危険性をはらんでいる。
最近はオンラインで色んなことができるようになったので、生が無理ならオンラインで、と気軽に考える方もいるかもしれない。実際、フジもサマソニもすでにYouTubeによる配信を実施した実績がある。とはいえ、やはりリアルなステージがあってこそのYouTube配信であり、私もYouTubeでいいや〜と思って見ていたら、やっぱり生で見たくなるもの。生でしか感じられない迫力、空気感というものは確実に存在しているのだ。
海外アーティストも国内アーティストと同じように、単独来日公演が軒並み中止となっている。日本における諸外国からの入国制限も継続中で、これがいつ解除されるかも不透明な状況。こういった状況で海外のアーティストたちがどういった判断をするのか。一音楽ファンとしては、開催にしろ中止にしろ、決定した主催者の意思を尊重し、応援したい。
そして更に言えば、今年開催予定だったオリンピックが現状では1年先に延期、となっている。冒頭でもお伝えしたが、今年はオリンピックの影響でフジロックの開催時期がずれており、サマソニはサマソニとしてではなく「SUPERSONIC」という形で開催する予定なのだ。では来年は、一体どうなるのか?このあたりも気になるところである。
FUJI ROCK FESTIVAL ’20 OFFICIAL WEB SITE
https://www.fujirockfestival.com/
SUPERSONIC OFFICIAL WEB SITE
https://supersonic2020.com/
(NO.16編集部)