アメリカが揺れている。5月25日、アメリカ・ミネアポリス近郊で、黒人のジョージ・フロイドが、白人警察官デレク・ショーヴァンに首を膝で8分以上押さえつけられ、のちに死亡した。
この警官(現場にいた他の3人の警官も含め)は、解雇されたが、人種差別が根深く残るアメリカの現実を再び浮き彫りにしたこの事件。
NetflixやNIKEといった企業も、#BlackLivesMatterをつけて黒人差別に抗議のメッセージを発している。HBOやSoundcloudは、アカウント名を#BlackLivesMatterに変更するなど、世界中に広がっている。
もちろんアーティストも反応している。
Pharrell Williamsは、”GEORGE FLOYD”という名前の画像だけをアップして追悼と抗議のメッセージを発信している。
— Pharrell Williams (@Pharrell) May 30, 2020
また、Billie Eilishはインスタグラムで。
ノルウェーのシンガー、AURORAも。
また、ジャネール・モネイも様々な人種差別に関わる事件を列挙して、問題提起をしている。
ただ当初、デモとして抗議が行われていたが、すでに一部は暴徒化し略奪行為なども起きているようで、アリアナ・グランデなどは暴力へと進んでしまっていることを懸念しているツイートを発表している。
もちろん、暴力に訴えている人たちは一握りで、しかもストレートに今回の問題に対して怒りを感じているのか、はたまた便乗しているだけなのか、そもそも破壊活動などをしているのは誰なのか(白人なのか黒人なのかも含めて)判断が難しい。それだけにアリアナ・グランデなどは暴力に訴えないように、というメッセージも発信している。
※ツイッターを見ていると、やはりメディアの報道はかなり切り取られたものであることが分かる。今回の事件に関して怒りは感じているが、その表現方法が暴力というのは違う、と強く訴えている人がほとんどなのだろう。また、白人 対 黒人、という対立構図を作り出したいという意図もどこかしらに感じられる。この辺り、情報に触れる際は十分に気をつけたいところである。
一方で、デモ活動はすでに海を越え、イギリスやドイツなどヨーロッパに飛び火している。
奇しくもアメリカは今年大統領選挙を控えている。その主役の一人でもあるトランプ大統領は、過激な発言をツイッター上で展開している。
Crossing State lines to incite violence is a FEDERAL CRIME! Liberal Governors and Mayors must get MUCH tougher or the Federal Government will step in and do what has to be done, and that includes using the unlimited power of our Military and many arrests. Thank you!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) May 30, 2020
まさに火に油を注いでしまう発言のようにも感じるのだが・・・
こういった問題には敏感なセレブ界隈が、トランプ大統領の発言についても含め、今後も色々なメッセージを発信し続けるだろう。
一つ気になるのは、日本での報道の取り扱いが非常に小さいことだ。実は日本でもクルド人男性が警察官に職務質問の際に路上に押し付けられ、怪我をするという事件が起きていた。この一件に対して、200人ほどが抗議活動を行なっているのだ。
人種差別問題は決して対岸の火事ではなく、知らず知らずのうちに身の回りに存在し、気がつかないうちに自らが関与してしまうことも否定できないのである。