The Show Must Be Paused
音楽を止めるべきだ。簡単に翻訳するとこんな感じだろうか。先日アップしたコラムでも触れている黒人のジョージ・フロイド氏が白人警官に命を奪われたことなどを受け、音楽業界では、今日6月2日に一切の音楽活動を止め(Pause)、差別への抗議の意思を示したり、差別について考えよう、という「#TheShowMustBePaused」という動きが広まっている。
Nile Rodgers、Radiohead、Thom Yorke、Christina Aguilera、Hayley Williamsなど、多くのアーテイストが呼応している。
MUSIC INDUSTRY BLACK OUT TUESDAY
Due to recent events please join us as we take an urgent step of action to provoke accountability and change.
Join us on Tuesday JUNE 2 as a day to disconnect from work and reconnect with our community.#THESHOWMUSTBEPAUSED pic.twitter.com/Yqb3D2CRWz
— Nile Rodgers (@nilerodgers) June 1, 2020
#TheShowMustBePaused @pausetheshow pic.twitter.com/skOKEecZap
— Radiohead (@radiohead) June 1, 2020
Radioheadは、YouTubeチャンネル上から一切のコンテンツが削除されている(おそらく一時的なものだろうが)。
同じく「#Blackouttuesday」という動きも広がっており、アメリカのコロムビアレコードは、6月2日は一切の活動を取りやめると宣言している。
— Columbia Records (@ColumbiaRecords) May 31, 2020
この動きはもちろんコロムビアだけではなく、主要レーベルを始め、インディレーベルなど、アメリカの音楽ビジネス全般に広がっている。
さらに、メトロポリタン歌劇場も「アートにレイシズムは必要ない / ニューヨーク、この国、世界にレイシズムの存在する場所はない /」と、強いメッセージを発信している。
さらに、放送を休止するラジオ局も続々その意思を表明しており、6月2日はアメリカ、世界の音楽にとって歴史的な1日になる。
コロナの収束もままならない中、勃発したこの問題に対して、アメリカの音楽業界は敏感に反応している。アメリカの音楽シーンは、歴史的に見ても黒人音楽を多様に取り込み、融合・進化させて、現在に至っている。それゆえのリスペクト、そして差別への強い拒否反応のもあるのだろう。もちろん、音楽業界含め、エンタメ業界での差別がなかった、というとそれは嘘になってしまうだろう。それは、グラミー賞やアカデミー賞などで度々顕在化してきている。
テレビやラジオ、インターネット上から音楽や映像作品がなくなった世界、想像できないというか想像もしたくないが、強烈なメッセージになることは間違いないだろう。
(NO.16編集部)
※今回の動きは黒人文化が反映された音楽を止めようというものではない、というご指摘をいただきました。編集部としましても、決してそのような意図で執筆した訳ではありませんが、表現・文章が言葉足らずになってしまっていた部分がありましたことお詫びいたします。
このデモは音楽を止めるというのではなく、アメリカの音楽業界が、彼らの仕事に一旦休憩を入れて、黒人差別に対するデモに力を入れようという意味で始まっています。捉え間違えないでください。音楽そのものを止めよう、黒人文化が反映された音楽を止めようという意味ではありません。この記事が多くの人の目に止まること、忘れないでいただきたいです。