現地時間6月28日、アメリカでBET AWARDが開催された。グラミー賞やアカデミー賞に比べると、日本での注目度もそれほど高くないのが現実だろう。しかし、今こそこのアワードが注目されるべきではないだろうか。
このBET AWARD。音楽や演技、スポーツなどエンターテインメント界DE活躍しているアフリカ系アメリカ人、その他マイノリティに贈られるものだ。
音楽とえいばグラミー賞があり、映画で言えばアカデミー賞がある。しかし、それとは別にこのBET AWARDというものが創設されたのが2001年だ。こういった賞が創設されること自体が、グラミーやアカデミーで、アフリカ系アメリカ人やそのほかのマイノリティが正当に評価されてこなかったからなのではないだろうか。そういった意味では、非常に重要な存在感を持つアワードとして注目されてもいいのかもしれない。
さて、今年は新型コロナウイルスの影響で、ヴァーチャルで開催されたアワードだが、女優/コメディアンのアマンダ・シールズがホストを務め、アリシア・キーズ、アンダーソン・パーク、ジェニファー・ハドソン、ジョン・レジェンド、マセーゴ、アッシャーといったアーティストがパフォーマンスに名を連ねた。
受賞者だが・・・まずはALBUM OF THE YEAR。
BEYONCEやLIZZOを振り切って、RODDY RICHの「PLEASE EXCUSE ME FOR BEING ANTISOCIAL」が受賞。コンプトン出身の21歳。彼にとってデビューアルバムでもある今作は、初登場で全米アルバムチャート1位を獲得。ラップのアルバムが初登場1位を獲得するのは2005年のザ・ゲーム以来15年ぶりの快挙だ。トラップ、マンブルラップと言ってもいいのかもしれない。ハードなラップではなく、どちらかというとドレイクのような雰囲気である。
Roddy Richは、Best New Artistも受賞している。
Best Female Hip Hop Artistは、Doja Cat、Cardi B、Lizzo、Nicki Minajなど、
錚々たるアーティストがノミネートされたが、受賞者は、Megan Thee Stallionというアーティスト。シングル「Savage」はTik Tokでバズって全米シングルチャートでも1位を獲得した。
彼女は日本のアニメ好きとしても知られているらしい。
Best male Hip Hop Artistは、Dababyが受賞。
最新の全米シングルチャートでは2位に後退してしまったが、Roddy Richをフィーチャーした「Rockstar」がチャートトップを飾った。4月にリリースしたアルバム「Blame It On Baby」も全米1位を飾り、何と2作連続でアルバムチャート1位を獲得している、いま最も旬なラッパーの1人だ。
この3カテゴリだけを見ても、日本で普通に生活していてもなかなか耳にしないアーティストが受賞していることがわかる。ぜひ、他のカテゴリも覗いて、今、どんなアーティストが注目されているのか、チェックしてほしい。
追記になるが、DababyとRoddy Richのコラボ曲、「Rockstar」がニューバージョンがBET WAWRDSで発表された。
警察官に膝で警部を圧迫され命を落としたジョージ・フロイド氏の最後を再現するという、とてつもなくメッセージ性の強い映像だった。
https://www.bet.com/shows/bet-awards.html
日本人としてはちょっと残念だったのが、SPORTSWOMAN OF THE YEARにノミネートされていたテニスの大阪なおみ選手が受賞を逃したことだろうか。なお、受賞したのは、アメリカの体操選手シモーネ・バイルズだ。
BlackLivesMatter関連のニュースも、あまり届かなくなってきたが、2020年は人種差別問題にとって地球規模でターニングポイントとなりそうな年だ。ここ日本にとってもそうなって欲しいと切に願う。
(NO.16編集部)