今日、9月に開催予定だったフェス、SUPERSONICの開催延期が発表された。これで、フジロック、サマソニの代替フェスとして計画されていたSUPERSONICの日本を代表する2つの夏フェスが、新型コロナの影響で延期、ということになってしまった。
SUPERSONICを主催するクリエイティブマンは最後まで、開催の方法を探っていたようだったが、1ヶ月を切る直前、ギリギリのタイミングで決定した。想像するに、本当に断腸の想いだっただろう。
日本では緊急事態宣言が解除され、サッカーJリーグやプロ野球が再開。音楽ライブも観客動員をするものが、少しずつではあるが見かけるようにもなってきた。しかし、新規感染者の増加、舞台でのクラスター発生など、緊急事態宣言解除直後の前向きなイメージが徐々に薄れてきているようにも感じられる。
筆者は、再開されたJリーグを1度、観戦しに行った。現在、Jリーグは観客のキャパシティを上限5000人で運用している。実際にスタジアムに行くと、自分の左右2つの席は空席、前後一列は誰も座らないようになっている。密を避ける、ということ。さらには、声を出したの応援は禁止、アウェーゲームの観戦は基本的には行かないように推奨されている。
観客がサッカーを見に行ったことでコロナに感染した、という状況は今の所ないようだが、移動を強いられるチーム関係者、選手にはやはりちらほら感染者が出ているのが現状だ。
こうしたレギュレーションでのサッカー観戦を終え、これがライブだったら、と思うと、全く想像がつかなかった。演劇であれば、まだ適応できるかもしれないが、例えば、フジロックやサマソニのメインステージが全て指定席制となり、前後の座席が空いており、声は出さずにライブを見る・・・
これはなかなか盛り上がらない。アーティストも空気を掴みづらい。
それでも、生で聴ける、という最高の体験はできるに越したことはないのかもしれないが、やはりライブはオーディエンスと一体となって盛り上がってこそのエンターテインメントだと思う。スポーツや演劇は「見る」ということに集中することができるので、そこは大きく違うところだろう。
色々なニュースを見るにつけ、いまだに新型コロナウイルスというのは、色々なことがわかっていないように思う。ワクチンの開発が進んでいるとは聞くが、抗体は数ヶ月で消えてしまう可能性がある、という報道もある。
人類はこれまでも多くの感染症に襲われてきているが、ここまで日常生活を壊されたウイルスはあったのだろうか?心の栄養素でもあるエンタメを支えるライブハウスや、様々な公演に携わる人たちの生活が脅かされ、エンタメそのものが窮地に立たされている。
この状況の中で、Led Zeppelinのロバート・プラントや、ブラックサバスのトニー・アイオミと言ったギタリストのサイン入りギターが、オークションに出品されると言う。これは、音楽コミュニティを支援するためのオークションと言うこと。
我々リスナーがアーティストを支援するには、サブスクで聞くだけではなく、今だからこそフィジカル・メディアで買い支え、心置きなくライブが楽しめる日を待つしかないのだろうか。
(NO.16編集部)