80年代といえば、今から30年〜40年前だ。この時代をオンタイムでリアルに体感している世代は、40代以上がギリギリだろう。つまり、今の20代にとっては、80年代の名曲、と言っても聞いたことすらない、という人もいるかもしれないのだ。つまり、40代以上にとっては「リバイバル」である80’s風のサウンドプロダクションは、20代以下にとっては新鮮そのものなのかもしれない。
最近、ノルウェーのDJ、カイゴが立て続けに80年代の楽曲をリメイクしてリリースしている。去年リリースしてヒットした「Higher Love」。こちらは、スティーヴ・ウィンウッドの1986年のヒット曲をホイットニー・ヒューストンがカバーし、アルバムの日本盤のボーナストラックにだけ収録されていた貴重な音源をリメイクしたもの。
そして、ティナ・ターナーの「What’s Love Has Got To Do With It」。こちらは1984年のヒット曲。
極め付けが、ドナ・サマーの「Hot Stuff」だ。
80年代のシンセ、ディスコサウンドからハウス、そしてEDMへと、2000年〜2015年くらいに進化していったエレクトロ・シーンだが、最近は再びシンセサウンドが多く用いられるようになっている。これまでのEDMは硬質な音だったが、同じ打ち込みでも80’sのシンセサウンドというのはどこか温かみがある。もちろん当時はまだまだ生演奏がメインだったが、今はソフトシンセによるDTMであることは、EDMと変わりはないのだが。日本のシティ・ポップが海外で人気、というのもこのあたりのサウンドへの渇望があるのかもしれない。
先日リリースされた、David GuettaがSiaとコラボした新曲「Let’s Love」なんかも、バリバリの80’sディスコ感満載。まるでa-haの「Take On Me」だ。
カイリー・ミノーグも11月にアルバムを予定しているが、なんとタイトルが「DISCO」。どこまで時代はさかのぼるのだろう。
実際、80年代の楽曲は耳に残る印象的なサウンドだったりメロディだったりの楽曲が多いと思う。ビートルズが誕生して半世紀以上。いずれはビートルズも、80年代の音楽も、全てがクラシックへと変化していく。ポップ・ミュージックが進化を続ける中で、ある意味でターニングポイントに来ているのかもしれない。
(NO.16 編集部)