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[コラム] ラジオという存在の違い

NO.16編集部コラム


去年のスーパーボウルのハーフタイムショウでパフォーマンスを披露したザ・ウィークエンドがニューアルバムをリリースした。年老いたウィークエンドのジャケット写真が大きなインパクトのジャケットとなっている。タイトルが「Dawn FM」。FMというのは、もちろんFMラジオのFMである。昔から音楽とは切っても切れないメディアである「ラジオ」。皆さんは果たしてどの程度、日常で聞いているだろうか。

Dawn FM

日本と海外では、ラジオのフォーマットが大きく違うことをまず、知っておく必要がある。日本では、放送局や番組によってもちろんばらつきはあるのだが、ここ最近はかなりトークが重視される傾向が強い。一方で、やはり海外のラジオは音楽がメインだ。音楽があって、情報やインタビューがあるのだ。日本だと逆で、情報やインタビューがあって、音楽が添えられる、というイメージ。もちろん、日本でも音楽をしっかりと聴かせる番組もあるだろうし、海外でもトークがメインのラジオもあるだろうが、総じてそんなイメージでOKだろう。

さらに、テレビの登場でリスナーが徐々に離れ、ンターネットの登場で、広告が徐々に離れと、ラジオには逆風が吹いており、日本ではここ数年で2つのラジオ局が閉局に追い込まれた。海外はというと、やはり順風満帆とは行っていないようで、どこの国のどこの放送局も、あの手この手で将来を模索しているだろう。

そんな中でも、ザ・ウィークエンドという世界のトップアーティストが、アルバムのタイトルに「FM」というワードを入れてくるところに、海外での音楽とラジオの結びつきの強さを感じずにはいられない。アルバムを聞いても、1曲目の「Dawn FM」は、ラジオ番組のオープニングそのもの。ナレーションからジングル、そして曲が流れるという、ラジオ番組を聞いている感覚で1枚のアルバムを楽しむことができるのだ。

今では、海外のラジオをスマホアプリ経由で聞くこともできるし、イギリスのBBCなどは、ウェブサイトに行けばストリーミングで聞くこともできる。日本では、著作権の絡みもあり、ストリーミングをすることもできない(radikoは、radiko用にさまざまな根回しがあり、ストリーミングと1週間のアーカイブで聞くことができるが・・・)。

以前、筆者がハワイに行ったとき、バスに乗ると地元のラジオ局が流されていた。振り返って日本のバスは、何も流れておらずl、時折、停留所の案内にぶら下がって広告が読み上げられたりしている。日本でもラジオをバスで流したらいいのではないか、と思ったこともある。(ラジオに集中して乗り過ごすこともあるかもしれないが・・・)。また、国土の広いアメリカは車での長時間移動があって車でラジオを聞く習慣がついている人が多かったり、イギリスでは海賊ラジオがいくつも誕生していたりと、何かとラジオが身近な存在になっているところもあるだろう。奇しくも、NHKの朝ドラで、ラジオの英会話がつなげる人と時代を超えたストーリー的なものがオンエア中だが、残念なことに劇中でのラジオは、添え物のような感じだ。かつては、日本でもラジオがとても身近なメディアであったことは疑う余地もないが。。。

音楽の聴き方も多様化しているが、ラジオほど音楽との偶然の出会いが起きるメディアはおそらくないだろう。今まで触れたことがないジャンルの曲や、時代を超えた名曲・・・DJやパーソナリティ、ディレクターなどの趣味趣向が少なからず入ってくる選曲は、他人のセンス/感覚と触れ合う瞬間なのだ。

ラジオから遠ざかっている人は、一度、どこの放送局でもいいので聞いてみてはどうだろう。新しい扉が開くかもしれない。

(NO.16編集部)