ユーロビート特集Part 3
大阪府立登美丘高校ダンス部による「バブリーダンス」や、
DA PUMP「U.S.A.」などのヒットで、改めて「ユーロビート」への注目も
高まったかのような雰囲気もある。
ということで、今回はユーロビート特集Part.3として、
これまで日本人アーティストによってカバーされたユーロビート・ナンバーをピックアップしてみた。
アンジー・ゴールド
Eat You Up Angie Gild
バブリーダンスといて知られる荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」の
オリジナルがこちら。イギリス、マンチェスター出身のシンガーソングライター。1981年にイギリスでデビュー。翌年には東京音楽祭に出演している。そして1985年にリリースした「Eat You Up」が当時のHi-NRGムーブメントに乗って大ヒット。邦題は「素敵なハイエナジー・ボーイ」。当時、日本でもオリコンシングルチャートで4週連続1位を獲得した。
そして、荻野目洋子によってカバーされたのが「ダンシング・ヒーロー(Eat You Up)」。1985年の11月にリリースされているので、「オッケー・バブリー」の平野ノラと、登美丘高校ダンス部が30年の時を経て、リバイバル・ヒットのきっかけを作った。
ザ・カバー・ガールズ
The Cover Girls Show Me
ニューヨークのブロンクスで、オーディションによって選ばれたエンジェル、キャロライン、マーゴの3人で結成されたのがザ・カバー・ガールズ。この曲をカバーしたのが森川由加里だ。タイトルもそのまま「Show Me」でリリースされている。当時の日本のユーロビート・ブームや、テレビドラマ「男女7人秋物語」に採用されたこともあってヒットした。
その影響で、The Cover Girlsもユーロビートのグループと思われがちだが、その他の曲を聴いてみると、明らかにHi-NRGではない。どちらかというと、ヒップホップ、ブレイクダンスの要素を含んだサウンドであることがわかる。
カイリー・ミノーグ
Kylie Minogue Turn It Into Love
1988年にリリースされたカイリー・ミノーグのデビューアルバム「Kylie」に収録されたアルバム。以前のユーロビート特集でもピックアップした、Kylie Minogueの「I Should Be So Lucky」と同じく、イギリスのプロデューサー・ユニット、ストック・エイトキン・ウォーターマンによるプロデュースだ。(※なお、「I Should Be So Lucky」も和田加奈子というシンガーにカバーされている。)この曲をカバーしたのが、アイドルユニット、Wink。タイトルは「愛が止まらない 〜Turn it into love〜」。彼女たちにとっては初のオリコン・シングルチャートで1位を獲得した曲となった。
なお、このWinkによるカバーも、テレビドラマの主題歌に使われている。海外でのヒット曲+ユーロビート+ドラマ主題歌、という当時のヒット曲の方程式のようなものが垣間見える。
ドミノ
Domino TORA TORA TORA
イタリアのユーロビート・プロデューサー、デイヴ・ロジャースの妻でもある、ドミノ。彼女の夫、デイヴは、ユーロビートのコンピレーションアルバム「SUPER EUROBEAT」への楽曲提供を行ったり、TMNなどのサウンド・プロデュースを行うなど、日本でのユーロビート・ムーブメントを牽引した1人でもある。そんな夫のツアーに同行し、「KING & QUEEN」というユーロビートをライブで歌ったことで、シンガーとしての活動を本格化させた。
1994年にリリースされた「TORA TORA TORA」は、安室奈美恵 with SUPER MONKEY’Sの安室奈美恵以外の4人で結成されたMAXによってカバーされた。それまでのディスコ・サウンドよりは、パラパラの曲に近いユーロビートと言えるだろうか。かなりBPMは早くなっている。
なお、DOMINOとデイヴ・ロジャースは、すでに離婚しているようだ。
ロリータ
LOLITA TRY MEs
このロリータというアーティストは、人としての名前ではなく、ユーロビートのアーティストの名義ということで、1992年にデビューしてから、1994年に一度、中の人が変わっている。プロデューサーは、やはりデイヴ・ロジャースだ。これをカバーしたのが、今年引退した、安室奈美恵。当時はまだ安室奈美恵 with SUPER MONKEY’S名義でのリリースだった。
サウンド・プロデュースは、オリジナルも担当したデイヴ・ロジャースが担当しており、彼の日本での活躍の布石となった1曲でもある。
やはりこの曲もBPM早めの、どちらかといえばパラパラで使われるようなユーロビートである。