<特集 – 特殊な楽器を使っている楽曲特集>
テルミン
GOOD VIBRATION THE BEACH BOYS
サーフ・ロックのレジェンド、ビーチ・ボーイズの代表曲のひとつ、「Good Vibration」。この曲のサビのバックで流れている、少し不安を書き立てるような電子音を奏でているのが、「テルミン」だ。
テルミンとは、ちょうど100年前の1919年にロシアの発明家によって発明したされた電子楽器。とても変わった楽器で、プレイヤーは、楽器そのものに触れることなく二つのアンテナの間に差し込んだ手を動かすことで、演奏することができる。まるで幽霊の効果音のような音だ。
ハンドパン
LUSH FOUR TET
イギリスのエレクトロ・アーティスト、フォー・テットの2017年のアルバム「NEW ENERGY」には、様々な楽器がサンプリングされている。実は詳しい楽器などがアルバムにはクレジットされておらず、詳しくはわからないのだが、
この「LUSH」で使われているのは、おそらく「ハンドパン」ではないだろうか。ハンドパンとは、ドラム缶などで作られるスチールパンの、上の部分を二つくっつけたような、まるでUFOのような楽器で、手で叩いたりスナップしたりして音を出す。スチールパンとは違い、どこか郷愁を感じさせる音と響きを持っている楽器。ここ数年、少しずつ広がっており、最近ではストリートパフォーマンスでハンドパンを叩いている人を見かけるほどになった。
ディジュリドゥ
WHEN YOU GONNA LEARN JAMIROQUAI
アシッドジャズ、ファンク、ロック、ソウルとあらゆるジャンルを飲み込むバンド、ジャミロクワイ。彼らのファーストアルバム「EMERGENCY OF THE PLANET EARTH」からのシングル。この楽曲の冒頭に流れてくるのが、ディジュリドゥという楽器だ。オーストラリア先住民、アボリジニの伝統楽器で、シロアリに食べられて、筒状になったユーカリの木から作られる。どの独特な音は、オーストラリアにやってきた白人が聞いたときに「ディジュリドゥ」と聞こえたことから、その名前が付けられたと言われている。
オカリナ
WILD THING THE TROGGS
1966年にトロッグスがカバーして、全米チャート1位を記録したナンバー。元々はザ・ワイルド・ワンズというバンドの曲で、その間奏では口笛でメロディが奏でられていた。しかし、トロッグスのバージョンでは、なんとオカリナが使われている。オカリナの起源をたどると、マヤ文明など、中央アメリカの文明に行き着くという。現在のオカリナは16世紀にアステカの楽器がヨーロッパに持ち込まれて改良されたもの。日本では宗次郎さんがオカリナ奏者としては有名であるが、まさかロックにオカリナが使われていたとは驚きである。