2010年代のHIP HOP特集
2010年代のHIP HOPを特集します。
マックルモア/ライアン・ルイス
Can’t Hold Us Macklemore & Ryan Lewis
シアトル出身のラッパー、マックルモアと、プロデューサーのライアン・ルイスによるユニット。元々は2000年ごろからマックルモアがソロでミックステープをリリースするなどの活動をしていたが、2012年にライアン・ルイスとタッグを組んでリリースしたデビューアルバム『The Heist』が全米チャートで初登場2位の大ヒットを記録。さらには2014年のグラミー賞で4部門を受賞するなど、一躍ヒップホップ・スターへと躍り出た。
しかし、2016年にリリースしたセカンドアルバムは思ったようなヒットには結びつかず、デュオとしての活動は休止となってしまった。
「Can’t Hold Us」は、大ヒットしたデビューアルバム『The Heist』からのシングルで、もちろん全米チャートで1位を獲得した。
ニッキー・ミナージュ
Super Bass Nicki Minaj
2010年代を代表する女性ラッパーの一人として名前を挙げるとすれば、ニッキー・ミナージュがパッと頭に浮かぶという方も多いのではないだろうか。
トリニダード・トバゴ出身で、5歳の時にNYに移住。名門アートスクールで舞台や音楽を学び、ラッパーのリル・ウェインが自身のレーベルと契約したということもあり、デビュー前から注目を集めていた。
満を持して2011年にリリースされたデビューアルバム『Pink Friday』は、そのアートワークも含めて話題をさらった。もちろんサウンドも、その特徴的な声と高速ラップで、人気を博した。一般のリスナーだけでなく、アーティストからも厚い支持を受けており、これまで本当に多くのアーティストとコラボしている。
「Super Bass」は、デビューアルバムからのナンバーで、彼女の特徴でも高速ラップと、
キャッチーなメロディーの両方を楽しめる1曲。
チャンス・ザ・ラッパー
All Night Chance The Rapper feat.Knox Fortune
2010年代、大きく変わったことといえば、音楽の聴き方だろう。CDからダウンロードを経て、今やストリーミングが音楽の聴き方のスタンダードとなった。
そんな中で登場したチャンス・ザ・ラッパーは、あのグラミー賞で「音源を販売していないアーティスト」として、初めて受賞を果たしたのだ。
「音源を販売していない」。つまり、CDやダウンロード販売をせず、ストリーミングによるリリースしかしていないという、まさに現代のアーティストである。世界中のフェスでヘッドライナーを務め、去年はサマーソニックで来日も果たしている。
現代のアーティストとして、今後もその動向が注目されるだろう。
ヤング・ファーザーズ
Only God Knows Young Fathers
イギリスにおけるヒップホップ・シーンというと、やはりメインストリームであるアメリカとは少し毛色が違う。これまでもトリップホップや、UKガラージ、グライムなど、イギリスならではのヒップホップ・シーンを形作ってきた。そんなイギリスで2014年に産声をあげたのが、ヤング・ファーザーズ。
スコットランドのエジンバラに拠点を置き、リベリア移民、ナイジェリア系、そしてスコットランド出身という3人で構成されている。
そのサウンドは、一言ではなかなか言い表せないが、彼ら自身の言葉を借りると、
「Psychedelic Hip-Hop Electro Boy Band」。マッシヴ・アタックや、ノエル・ギャラガーも絶賛するなど、イギリスでは高い評価を得ている。
「Only God Knows」は、2017年にリリースされたシングル。
ケンドリックラマー
HUMBLE. Kendrick Lamar
2010年代最後の年に入ったわけだが、現在のヒップ・ホップシーンにおいては、このアーティストが紛れもなく中心にいるであろう。コンプトン出身で、デビューは2012年。
全米アルバムチャートでは2位まで上昇。これまでに12のグラミー賞を受賞、MTVからは2013年に「最もホットなラッパー」に選出、2016年にはタイム誌の「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれた。そして2018年にリリースしたアルバム『DAMN.』は、ピューリッツァー賞の音楽部門を受賞。ヒップホップ先品としては初めての受賞となった。「HUMBLE.」は、そのアルバム『DAMN.』から。