90年代のUKロックを代表するバンドで、ブリットポップの火付け役、SUEDE(スウェード)。
来月、8枚目となるオリジナルアルバム「The Blue Hour」がリリースされます!
高樹千佳子(cent.FORCE)
MUSIC ON!の音楽番組「TVカウントダウンE.T」、NOTTVの音楽番組「LOVE&ROCK」でMCを勤め、無類の洋楽好きとしても知られる高樹千佳子。そのコアな知識と飽くなき探究心を、NO.16 Columnで好き勝手に披露してもらいます!(週1回更新予定)
マッドチェスター終焉、ブリットポップ前夜の92年にリリースされたデビューシングル ‘The Drowners’ が爆売れし、あっという間に全英1位!マーキュリー賞受賞!とセンセーショナルにデビューしたスウェード。
(↑‘マッドチェスター’とは、80年代後半から90年前後にかけて、イギリスの都市マンチェスター中心に起こった音楽ムーブメント。‘マンチェスター’と英語の‘mad’を組み合わせた造語です。ダンサブルなビートとサイケデリックなサウンドが特徴的で、代表するバンドとして、ストーン・ローゼズやハッピー・マンデーズ、シャーラタンズなどが挙げられます。‘ブリットポップ’ は、90年代にロンドンやマンチェスター中心に発生したポピュラー音楽一大ムーブメント。オアシス、ブラー、スウェード、パルプ、スーパーグラスなど)
デビッド・ボウイやT.レックス、スミスに影響を受けた耽美な音楽性や佇まい、グラマラスで華麗、ダークで挑発的な世界観が魅力のスウェード。vocalのブレット・アンダーソンも美しくカッコよくて、私も中学高校生の頃から好きでした。オアシスやブラーと共に、よ?く聴いてました♪
代表曲の一部を…、
The Drowners
Animal Nitrate
So Young
Trash
Beautiful Ones
New Generations
ギターのバーナード・バトラーは脱退してしまったけど、その後も第一線で活躍を続け、03年に一旦活動休止するも、10年に再結成。
翌年、アメリカのコーチェラ・フェスに出演した際に観に行って、ブレットを10メートルと離れていない距離で拝むことができましたが…、
見た目が昔と全く変わってないんですよね☆ 今も変わらずスリムでカッコ良い? 腰をくねらせて歌う妖艶な佇まいに、スウェードをスウェードたらしめている艶やかで伸びやかなvocalも健在。イギリスのバンドだけど、アメリカでも人気で、再結成を待ち望んでいたファンが多く、コーチェラでもすごく盛り上がっていました!!
再結成後、日本にもサマソニや単独公演で何度か来日していて根強い人気を誇りますが、ファン層としては、やっぱりブリットポップをリアルタイムで聴いて知っている、私と同じアラフォーやそれより上の世代の人が多いのかな。
でも若い世代の人たちにももっと聴いて知ってほしいな!!
新作「The Blue Hour」は、13年の「Bloodsports」、16年の「Night Thoughts」に連なる3部作の最終章に該当する作品だそうで、チェコのプラハ市フィルハーモニー管弦楽団が参加していたり、聖歌隊やスポークン・ワード、ダイアログを取り入れたり、ストリングス・アレンジメントをフィーチャーした曲もあったりと、スウェードにとって新たな音世界を探求した作品となっているようです☆
そして、3部作だけど、前2作とプロデューサーが変わっています。耽美で妖艶なロマンティック・ロックで原点回帰的な作品となった、活動再開後初のアルバム「Bloodsports」や、壮大かつダークで妖しいサウンドスケープの「Night Thoughts (夜の瞑想)」のプロデューサーは、スウェードの初期3部作を手がけたエド・ビューラーだったんですが、
新作のプロデュースを手がけるのは、マイ・ブラッディ・バレンタインやナイン・インチ・ネイルズ、アークティック・モンキーズなどで知られるアラン・モウルダー。
バンドによると、「Blue Hourとは、日の出前と日の入り後に発生する、空が濃い青色に染まる時間帯のこと。これらの楽曲はある物語を指しているが、それがなんだかは二度とわからないし説明すらできない。バンド、情熱、ノイズ、それが‘The Blue Hour’ だ」と。
3部作の完結作であると共に、バンドにとって新たなフェーズに移行した、複雑で多様性のある作品になっているようですね。
現時点で聴けるシングル
The Invisibles
Life Is Golden (MVは、全編通じてチェルノブイリ原発事故で放棄されたプリピャチの街並みが映し出されています)
Don’t Be Afraid If Nobody Loves You
3作通して、今のスウェードを堪能したいです!