今年4月に発表したニュー・アルバム『ノー・ジオグラフィー』が6度目の全米アルバム・チャート1位の大ヒット、7月末には洋楽アーティストとしては最多出演となるフジロック・フェスティバルのヘッドライナーを務めたケミカル・ブラザーズ(The Chemical Brothers)。そんな彼らが1999年にリリースしたサード・アルバムにして名盤と評される『サレンダー』の発売20周年を記念した『サレンダー (20周年記念盤)』が、11月22日に世界同時発売されることが発表された。先行してYouTubeには「Hey Boy Hey Girl」の二つのリミックスが公開となっている。
(情報提供: UNIVERSAL MUSIC JAPAN)
Hey Boy Hey Girl (Kink Extended Remix)
Hey Boy Hey Girl (The Secret Psychedelic Mix)
1999年に『サレンダー』が発売される前から、ケミカル・ブラザーズは既に自身の“神話”となるべき作品の構成を組み立てていたと言う。このアルバムをリリースする直前のシングル「Hey Boy Hey Girl」は、中毒性のある言葉遣いをするなど、同デュオを印象付ける大胆な作品でありながも、世に好まれやすく耳に馴染んだような歌詞が、当時世界へ進出を遂げたクラブシーンに生きる快楽主義的な人々にとってのアンセムとなった。
しかしながら『サレンダー』は、音楽以上のものを生み出した作品だ。Kate Gibbによる幻覚を見ているような気分になるアートワークや、アルバムの心臓にあたる楽曲「ザ・サンシャイン・アンダーグラウンド」のような曲の持つ推進力のあるサイケデリアなどを通し、真にケミカル・ブラザーズの本領が発揮されたのだ。他にも、ノエル・ギャラガーを筆頭に、Bernard Sumner, Hope Sandoval, Jonathan Donahueなど唯一無二の才能を持ったアーティストらの存在は、ゲスト・ヴォーカリストのそれにとどまらず、まるで聴く者を“サレンダー”(意味:降伏)させ、より大きな機械を動かすパーツのような存在として位置していた。
『サレンダー』は1999年のQアワーズで最優秀アルバム賞を受賞。ケミカル・ブラザーズは、イギリス版グラミー賞と称される2000年のブリット・アワードで最優秀ダンス・アクト賞を受賞した。そして、アルバムのリリースから1年、グラストンバリー・フェスティバルのピラミッド・ステージでヘッドライナーを務め、当時の同フェスティバル最大級のキャパシティを前にしてパフォーマンスを披露した。
ケミカル・ブラザーズ史上初のデラックス盤である『サレンダー』の20周年記念盤はオリジナル・アルバムに加えて、貴重な未公開楽曲が収録されたディスクとリマスター版ミュージック・ビデオ、そして2000年の英・グラストンベリー・フェスティヴァルの伝説的なライヴ映像を収録したDVD追加収録される。これに加え、Kate Gibbによるオリジナルのアートワーク、主な共同制作者からの賛辞の言葉が寄せられた限定カラーブック、そしてJon Savage、バンドの長年のヴィジュアル・コラボレーターであるAdam Smith、さらには『サレンダー』のリリースが「タイムレスな瞬間を切り取ったような作品」だと語るAlexis Petridisらによる新ライナーノーツも封入されているなど、ファンにとっては“幸福”以上の何物でもない作品だ。
更に、前述の通りこれまで幾度も来日を果たし、大の親日家であるケミカル・ブラザーズから“日本のファンへのプレゼント”として、日本盤(3CDと4CD+DVDの2形態)には、『サレンダー』がリリースされた1999年に出演したフジロック・フェスティバルのライヴ音源が11曲も収録された豪華なボーナス・ディスク付。ケミカル・ブラザーズの公式Facebookページには、日本盤の紹介映像も公開となった。
◆ リリース情報
ケミカル・ブラザーズ『サレンダー 20周年記念盤』
● 2019年11月22日発売
【日本盤は2形態リリース予定】
◆『サレンダー 20周年記念盤(3CD)』UICW-10021 / \3,600(税抜)
◆『サレンダー 20周年記念盤(4CD+DVD)』BOX仕様 / UICW-90001 / \12,000(税抜)
<トラックリスト>
<日本盤:3CD収録内容>
● Disc 1: Surrender / サレンダー
01. Music:Response / ミュージック:レスポンス
02. Under The Influence / アンダー・ジ・インフルエンス
03. Out Of Control / アウト・オブ・コントロール
04. Orange Wedge / オレンジ・ウェッジ
05. Let Forever Be / レット・フォーエヴァー・ビー
06. The Sunshine Underground / ザ・サンシャイン・アンダーグラウンド
07. Asleep From Day / アスリープ・フロム・デイ
08. Got Glint? / ガット・グリント?
09. Hey Boy Hey Girl / Hey Boy Hey Girl
10. Surrender / サレンダー
11. Dream On / ドリーム・オン
● Disc 2:B sides and Remixes as curated by The Chemical Brothers / Bサイド/リミックス
01. Flashback / アウト・オブ・コントロール
02. Scale / スケール
03. The Diamond Sky / ザ・ダイヤモンド・スカイ
04. Studio K / スタジオK
05. Power Move / パワー・ムーヴ
06. Enjoyed / エンジョイド
07. Electronic Battle Weapon 4 / エレクトロニック・バトル・ウェポン4
08. Out Of Control (Sasha Club Mix) / アウト・オブ・コントロール(サシャ・クラブ・ミックス)
09. Music: Response (Gentleman Thief Mix) / ミュージック:レスポンス(ジェントル・シーフ・ミックス)
10. Music: Response (Futureshock Main Response) / ミュージック:レスポンス(フューチャーショック・メイン・レスポンス)
11. Hey Boy Hey Girl (Soulwax Remix) / Hey Boy Hey Girl(ソウルワックス・リミックス)
12. Hey Boy Hey Girl (KiNK Remix) / Hey Boy Hey Girl(キンク・リミックス)
● Disc 3:Live At Fuji Rock Festival 1999 / ライヴ・アット・フジロック・フェスティヴァル 1999 ★日本盤限定ボーナス・ディスク
01. Hey Boy Hey Girl / Hey Boy Hey Girl
02. Music:Response / ミュージック:レスポンス
03. Block Rockin’ Beats / ブロック・ロッキン・ビーツ
04. Song To The Siren / ソング・トゥ・ザ・サイレン
05. Under The Influence / アンダー・ジ・インフルエンス
06. It Doesn’t Matter / イット・ダズント・マター
07. Out Of Control / アウト・オブ・コントロール
08. Got Glint? / ガット・グリント?
09. The Sunshine Underground / ザ・サンシャイン・アンダーグラウンド
10. Setting Sun / セッティング・サン
11. Chemical Beats / ケミカル・ビーツ