<特集 – 2020 GRAMMY>
1月26日、アメリカで開催された第62回グラミー賞授賞式。改めて今年のグラミーを特集。
Bad Guy
Bad Guy Billie Eillish
まずはこの人をピックアップせざるを得ない。史上最年少の17歳で、グラミー賞の主要4部門「最優秀レコード賞」「最優秀アルバム賞」「最優秀楽曲賞」「最優秀新人賞」を総なめにした。これは1981年のクリストファー・クロス以来39年ぶりの快挙。決して「売れ線」を狙った楽曲ではなかったと思うが、17歳の女性が感じる心情や葛藤をストレートに表現した、時にダークな楽曲群が評価されたのだろうか。またプロデューサーでもある兄フィニアスと二人三脚で制作しているスタイルも新鮮だ。なお、兄フィニアスと合わせると、実に11部門にノミネートされた。ビリーは2018年にサマーソニックですでに来日していたが、当時はそこまで話題になっていなかった。今年9月に単独での来日公演が控えている。
Juice
Juice Lizzo
そして、この方も注目を集めていた。リゾはシンガー、ラッパー、そしてフルートプレイヤーでもある。ヴィジュアルを見てもらうとわかるとおり、ビッグサイズの女性だ。これまでだと外見にとらわれがちなエンターテインメントの世界だが、多様性の時代。そういった外見もさらけ出し、ポジティブなメッセージを発信していくことで、大きな支持を得た。第62回グラミー賞では最多となる8部門にノミネートされ、最優秀ポップ・ソロ・パフォーマンスなど3部門を受賞した。健康には気をつけていただきたいが、今後の活躍も第注目だ。
A Lot
A Lot 21 Savage
アメリカの現在のチャートで勢いのあるジャンルといえば、やはりヒップホップだろう。その中でも最優秀ラップソングに選ばれたのが、この曲。現在27歳の21 Savage。生まれはイギリスだが、育ちはアメリカのアトランタ。アトランタといえば、リュダクリスやT.I.、アンドレ3000、チャイルディッシュ・ガンビーノといったアーティストがホームタウンと呼ぶ街。さらにはレコーディングスタジオやライブハウスもたくさんあるそうで、アーティストを育む街となっている。この曲では、21 Savageがこれまでに経験したことや触れてきた、たくさんのことについて歌われているそうです。
This Land
This Land Gary Clark Jr.
「最優秀ロック・パフォーマンス」「最優秀ロックソング」「最優秀コンテンポラリー・ブルース・アルバム」の3部門を受賞したのが、ゲイリー・クラーク・ジュニア。ブルース、ロック、ソウル、さらにはヒップホップも取り込んだそのサウンドは、世代を超えて受け入れられる音だと思う。ロックは元気がない、などと言われたりもする現代だが、こんないいアーティストがいるんだ、というのを改めて感じさせてくれる。
Back In The City
Back In The City Alejandro Sanz
そして、もう一つ見逃せないのが、ラテンミュージック。今やスペイン語をメインで話している人は世界で2番目に多い(1番は中国語、英語は3番目)と言われている。それだけにラテンミュージックのトレンドというのも気になるところ。今回、アルバム「エルディスコ」で最優秀ラテン・ポップアルバム賞を受賞したのが、スペイン出身のアレハンドロ・サンス。デビューは1991年なので、すでに20年近いキャリを持っている。今回は、ジャスティン・ビーバーとのコラボでも知られてるルイス・フォンシを押しのけての受賞となっている。カミラ・カベロとのデュエットで聴かせるスローナンバーから、ファンキーなダンスナンバーなどバラエティに富んだ楽曲を収録したアルバムから、レゲトンのアーティスト、ニッキー・ジャムをフィーチャーしたナンバーをピックアップ。