<特集 – プロデューサー Adam Messinger>
カナダ出身のプロデューサー、アダム・メッセンジャーという人を知っているだろうか?トロント生まれで5歳の頃から音楽に触れ、ギター、ベース、ドラム、サックスなど様々な楽器を手にしたということで、かなり音楽のセンスに溢れた人物のよう。「ザ・メッセンジャーズ」というプロデュース・ユニットの1人として、様々な楽曲をプロデュースしており、グラミー賞も受賞している。
あまり日本では知名度は高くはないかもしれないが、今日はこのアダム・メッセンジャーを特集してみたい。
Rude
Rude MAGIC!
彼の仕事で、一番有名な楽曲といえばこの曲かもしれない。カナダのレゲエ・バンド、マジック!の代表曲「ルード」だ。2013年にリリースされた、バンドのデビューシングルは全米・全英チャートで1位を獲得する大ヒットを記録した。アダムとこのバンドとの結びつきは特に強く、なぜなら、このマジック!のフロントマン、ナスリ・アトウェこそが、プロデュースユニット「ザ・メッセンジャーズ」のパートナーなのだ。ただ、この曲に関しては、プロデューサーとしてクレジットされているのはアダムだけである。
That Should Be Me feat.Rascal Flatts
That Should Be Me feat.Rascal Flatts Justin Bieber
マジック!のデビューから遡ること3年。同じカナダ出身のジャスティン・ビーバーのアルバム「My World 2.0」に収録されたこの曲もアダム、ナスリのThe Messengersによるプロデュースだ。この曲でフィーチャーされているのはラスカル・フラッツというカントリー・バンド。マジック!への流れとして、バンド系のプロデューサーなのかな、と思いきや、アダム自身はピアノから楽器をスタートしたのち、ジャズを学んでいたよう。
Change Your Life feat.T.I.
Change Your Life feat.T.I. Iggy Azalea
ジャズを学び、バンドサウンドを得意としているかのようなアダムだが、2013年にリリースされたイギー・アゼリアのデビューアルバムでプロデュースを担当した曲は、完全なポップ・ミュージックを作り上げている。この曲でもプロデュースはザ・メッセンジャーズ名義となっているが、どうやらアダムの方はコー・プロデューサーとしての参加なので、もしかしたら生音を好むのは、メッセンジャーズの中でも、ナスリではなくアダムの方なのかもしれない。
No Afraid Anymore
No Afraid Anymore Halsey
アダム、そしてナスリのプロデュースの幅は留まるところを知らず、2017年にザ・メッセンジャーズ名義でプロデュースしたホールジーのこの曲は、映画「Fifty Sahdes Darker」に提供された楽曲。サウンドトラックの楽曲、ということもあり、かなりドラマチックなアレンジになっている。メロディラインなどは、イギー・アゼリアの「Change Your Life」の流れを汲んでいるかもしれない。
Arms Open
Arms Open The Script
ホールジーと同じく、2017年にリリースされたアイルランドのバンド、ザ・スクリプトのアルバム「Freedom Child」に収録されたこの曲は、このアルバムの中では数少ない、バンドがプロデュースに関わっていない曲の一つだ。2010年代前半のポップな流れではなく、この時期はかなりドラマチックな楽曲に寄っていたと思われる。この曲のクレジットでは、Wikipedia上だがナスリよりアダムの方が前に書かれているので、よりアダムのカラーが前に出ているのかもしれない。
ザ・メッセンジャーズとしては、他にもクリス・ブラウンやシャキーラ、ピットブルなどの作品にも参加している。