(情報提供: UNIVERSAL MUSIC JAPAN)
ロンドンの伝説的なレコーディング・スタジオ、アビイ・ロード・スタジオは、およそ90年間にわたって世界中のアーティストやプロデューサーを受け入れ数多くの作品を生み出してきたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、2020年3月24日より史上初めての閉業を余儀なくされていた。
しかしそれから2か月以上が経過した6月4日、遂に営業を再開。再開後初のレコーディング・セッションは仏在住アメリカ人ジャズ・シンガー、メロディ・ガルドーとロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団が担当。
両者は当初予定していたレコーディングを新型コロナウイルスの感染拡大によりキャンセルしていたが、今回はソーシャル・ディスタンスのルールを守りつつ安全な環境で念願のセッションが実現した形となる。また、今回の録音はロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団にとってもロックダウン以降初のリユニオンとなった。
レコーディングは、メロディ・ガルドーがパリから、グラミー賞を多数受賞しているプロデューサーのラリー・クラインがロサンゼルスからリモートで参加し、ロンドンのスタジオ内のミュージシャンやエンジニアと作業を進めていくという非常に国際的なものとなった。密閉されたスタジオ内にミュージシャンが集結するというチャレンジングな環境の中、イギリス政府のガイドラインを遵守するため、スタジオ・チームは新型コロナウイルス下での新たな基準を設定。ミュージシャンやスタッフの安全を最優先とし、ソーシャル・ディスタンスと可能な限り安全なレコーディング環境を提供するガイドラインを策定した。
アビイ・ロード・スタジオのマネージング・ディレクターであるイザベル・ガーヴェイは、「音楽は厳しい時間を乗り越える手助けをしてくれ、昨今の環境においてはこれまで以上に重要なものとなっています。アーティストが新しい音楽を作り上げ、このような環境における感情を共有したいという欲求を持っているのを私たちは知っていましたし、スタジオを再開してほしいというリクエストを数多く受けていました。安全のための新たな基準を設けたうえで今回スタジオを再びオープン出来ることをとても嬉しく思っています」と述べている。
2009年にTVシリーズ「ライヴ・フロム・アビイ・ロード」へ出演し、今回再開後初のレコーディングを担当したメロディ・ガルドーは、「今回アビイ・ロード・スタジオ再開後初のレコーディングを担当することが出来てとても光栄です。90年の歴史の中で第二次世界大戦の間ですらオープンしていたスタジオが、今回新型コロナウイルスの影響で初めて閉業していたと知りました。そして今回ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団とレコーディングすることで、録音にかかわるすべての人々の安全を前提にアーティストのコミュニティが復帰出来る助けとなれたのではと思います。まるで歴史に触れているような感覚です」とコメントしている。
また、メロディ・ガルドーが所属するデッカ・レコードの社長であるレベッカ・アレンは、「デッカ・レコードとアビイ・ロード・スタジオは、長年にわたり強い絆を作り上げてきました。スタジオが再開し、我々のアーティストであるメロディ・ガルドーがロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団と共に、スタジオを再び素晴らしい芸術で満たしていくことをとても嬉しく思っています」と語っている。