(情報提供: WARNER MUSIC JAPAN)
2017年のYouTube動画が世界中で話題となり、今年名門デッカ・レコードと契約を果たしたアルゼンチン出身のグループ、カンデ・イ・パウロ (Cande y Paulo)。キーボードとコントラバスというこの異色のデュオによるメジャー3枚目のシングル「Summertime」が今月リリースされた。
「Summertime」はジョージ・ガーシュウィン作曲の言わずと知れたスタンダード・ナンバー。メンバーのパウロ・カリッソとカンデ・ブアッソが住む南半球のアルゼンチンでは現在夏を迎えているが、そんな季節に合わせてのリリースとなった。
この曲について、キーボードを担当するカリッソは「この曲には素晴らしいヴァージョンがいくつもあるので、それらとは少し違う変わったものにしたいと思い、数年前にこの7拍子というアプローチによる演奏を始めたんだ。そのアイデアとこの曲がどこで結びついたのかは覚えていないけど、カンデがベースを弾きながら歌い始めたとき全てが上手くはまったように感じたよ。その後ロサンゼルスに行きプロデューサーのラリー・クラインたちとこの曲をレコーディングしてみると、僕たちが予想もしていなかったような素晴らしい出来にしあがったというわけさ」とコメントしている。
これまでのシングルと同様に、レコーディングはラリー・クライン (ジョニ・ミッチェル、ボブ・ディラン、ハービー・ハンコック)プロデュースのもとロサンゼルスで行われた。カンデのリズミックなヴォーカルとパウロのパワフルなピアノで新たな一面を見せてくれたカンデ・イ・パウロ。今年も楽しみな展開が続きそうだ。
■カンデ・イ・パウロ (Cande y Paulo)プロフィール
アルゼンチン北西部サン・フアンのキーボード奏者/コンポーザーでありサン・ファン国立大学教授・研究家のパウロ・カリッソ (Paulo Carrizo)と、女性コントラバス奏者・歌手のカンデ・ブアッソ (Cande Buasso)とのデュオ。2人が初めて共演したのは2017年、詩人でありアルゼンチン・ロックの伝説であるルイス・アルベルト・スピネッタの名曲「バロ・タル・ベス」(Barro Tal Vez)をカバーした映像だった。
地方のシアターで撮影されたその動画がYouTubeで1,000万再生を突破し、コントラバスとキーボードという珍しい組み合わせも話題を呼んで一躍注目を集める。
その2年後には、ラリー・クライン (ジョニ・ミッチェル、ボブ・ディラン、ハービー・ハンコック)のプロデュースによりロサンゼルスにてデビュー・シングル「バロ・タル・ベス」をレコーディング。カリッソのアレンジメントとブアッソのヴォーカルがエモーショナルに絡み合った比類なき出来栄えとなっている。
2人の関係は意外にも遥か昔まで遡る。2人の地元であるサン・フアンにはレコード会社が存在しないが、インディ・ミュージック・シーンは活況を呈しており、ブアッソはその状況を「大きなファミリー」と表現している。2人が出会ったのはブアッソが15歳の時で、マルチ奏者でありアレンジャーでもあるカリッソが彼女にピアノレッスンをしていた。
それから数年にわたりキーボーディストとしてブエノスアイレスの音楽シーンで名を馳せていたカリッソ。その後地元であるサン・フアンに戻り、かつての教え子だったブアッソに再び出会うこととなる。彼女は独学でオペラとジャズを学び、ヴォーカルとコントラバスのコンビネーションをマスターしていた。2人は音楽とは関係ない様々なことについても議論し、笑い合う時間を過ごしたが、それが彼らの音楽の密接性を築き上げることにもなった。
ブアッソはこのデュオについて、「チャレンジの連続だけど、楽しいわ」と語っている。「カリッソが『これは出来る?』というから私が『ええ』と答える、そしてそれが上手くいくーー全てが自然と生まれてきて、驚きの連続だわ」
◆ リリース情報
カンデ・イ・パウロ
「Summertime」