<特集 – クールダウン>
今年も暑い日が続いている夏を、耳からクールダウンしてくれそうな楽曲。
ボサノヴァ
MADALENA ELIS REGINA
夏に聞いて涼しげなイメージを受ける、というとやはりボサノヴァ、だろうか。跳ねるようなピアノと、タンバリンに絡んでくるエリス・レジーナのボーカルに、時折絡んでくるストリングス。夏のイメージがしっかり浮かんでくるが、不思議と暑苦しさは感じず、涼しげなイメージが漂うのは何故だろう。なお、楽曲を作ったイヴァン・リンスは、どちらかというとジャズやフュージョンをメインに作っているアーティストである。
アイスランドの風
I KNOW YOU KNOW ASGEIR
アーティストが生活している場所の気候というのは、少なからずサウンドにも影響が出てくるのかもしれない。そんなことを感じさせてくれるのは、北欧・アイスランドのシンガーソングライター、アウスゲイルの楽曲。特にアウスゲイルのファルセットを交えた歌声は、聴き心地がいい。エレクトロポップ調のこの曲は爽やかな風が吹いてくるような、そんなイメージが浮かんでくる。MVを見てみると、おそらくアイスランドであろう、広大な牧場の牧草を刈っている映像が見られるのだが、この動画を見ているだけでもクールダウンできそうだ。
涼しげな新曲
MY FUTURE BILLIE EILISH
一躍世界的なスター、そしてオピニオンリーダーとなったビリー・アイリッシュ。その楽曲はどこか闇を抱えた、暗いイメージが強いが、この「MY FUTURE」では、「まだ見ぬ未来の自分自身に恋をしている」というとてもポジティブな曲。そして彼女の歌声もまた、柔らかく静かに沁みてくる。暑く、ぐったりした気分をスッと落ち着かせてくれるような楽曲だ。
アンビエント
THE PLATEAUX OF MIRROR BRIAN ENO
耳からクールダウンしてくれる音楽の代表として、アンビエント・ミュージックも挙がるだろう。その巨匠の1人、ブライアン・イーノの曲も涼しげだ。今から41年前、1980年にリリースされたアルバム「アンビエント2:ザ・プラトウ・オブ・ミラー」のタイトルトラックは、シンセサイザーの浮遊感漂うメロディーラインと、後ろに入ってくるサウンドエフェクトが、まるで水の中にいるような、そんな錯覚まで覚えてしまう。
70’s
I CAN SEE DURAND JONES & THE INDICATIONS
まるで70年代のフィリーソウルかと思うような音と歌声だが、2021年のサウンド。アメリカのバンド、ドゥラン・ジョーンズ&ジ・インディケーションズ。ファルセットによるコーラス、時折入ってくるカッティングギター。暑さも引いてきた夕暮れの砂浜、潮騒を聴きながら波打ち際を散歩しながら聞いてみてたい1曲だ。