猛烈に暑かった夏もひと段落し、秋の涼しい空気が気持ちよく感じられる今日この頃。
こんな時は、、私はやっぱりスミスを聴きます♪
高樹千佳子(cent.FORCE)
MUSIC ON!の音楽番組「TVカウントダウンE.T」、NOTTVの音楽番組「LOVE&ROCK」でMCを勤め、無類の洋楽好きとしても知られる高樹千佳子。そのコアな知識と飽くなき探究心を、NO.16 Columnで好き勝手に披露してもらいます!(週1回更新予定)
イギリス、マンチェスター出身の4人組、The Smiths。
1982年に結成されて、4枚のアルバムを出して、人気絶頂の87年に解散。実質的にはたった5年程の活動期間でしたが、その後の90年代ブリットポップなどに与えた影響は計り知れず。80年代、イギリスのインディー・ロックシーンの黄金期を代表するバンドとして、今なお根強く支持され愛され続けています。
スミスといえば、vocalのモリッシーと、guitarのジョニー・マー。ジョニー・マーがモリッシーを誘って、モリッシーの書く歌詞にマーが曲をあてることで、スミスが始まりました。
ユーモアや皮肉を交えたり、恋愛に苦しんだり、政治的だったり。内省的な歌詞を詩的に歌うモリッシーと、マーの鮮烈なギターサウンドは、当時の若者文化の中の不満に満ちた層や、当時チャートを独占していたシンセサイザー・バンドやメジャーレーベルから出ていたヒット曲・ラブソングなどにうんざりしていた層に、熱く支持されたそうです。
4枚のアルバムの中では、特に3枚目の「Queen Is Dead」が高く評価されていて、今でも様々な音楽メディアのベストアルバム的・聴くべき代表作の特集の中で、このアルバムがよく挙げられています。これに収録されている ‘There Is a Light That Never Goes Out’ は、シングルカットされなかったにも関わらず、最もファンの支持を集める楽曲の1つ。私もスミスで一番好きな曲です☆ 最近では、「Radio X」による、リスナーが選ぶ最高のUKソングでも8位に選ばれていました!(ちなみに1位はオアシスの‘Live Forever’、2位はクイーンの‘Bohemian Rahpsody’ などと、納得の選曲!)
解散後は、モリッシーはソロ・アーティストとして、ジョニー・マーはプリテンダーズやザ・ザ、クリブスなどのギタリストとして、またプロデューサーやソロとしても活動を続けています。(マーは今年6月にソロ新作をリリースし、フジロックにも出演!)
ジョニー・マーは、80年代以降のギターロック・UKロックに大きな影響を与えたギター・ヒーローとして、音楽ファンやアーティストからも敬愛されているんですよね。元オアシスのノエル兄さんもマーのことが大好きで、自身の作品に参加してもらい、共作していたりもします。(‘Ballad Of The Mighty I’ など)
‘Ballad Of The Mighty I’
少し前に、イギリスのBBCによる、リスナーが投票で選んだ最も偉大なギターリフ20曲の中にも、スミスの ‘How Soon Is Now?’ が選ばれていました☆ たしかにこの曲のギターサウンドはとても印象的で、一度聴いたら忘れない!
‘How Soon Is Now?’
ジョニー・マーはよくライブでも見られるんですが、モリッシーの方はなかなか、、、
だったんですが、、
2012年に!やっとライブで拝見することができました♪
あれはたしか4月。10年ぶりのソロ来日公演で、私にとっては初モリッシー!! チケットは当然ソールドアウトで場内はお客さんでぎっしり。男性ファンが多かったですね!
モリッシーは、一見いかにもな ‘イギリスの紳士’風。日頃から歯に衣着せぬ政治的な発言が多く、気難しい方?といったイメージでしたが、とても礼儀正しくて、ふとした仕草が面白かったりと、なんだか可愛いオジ様? まさに ‘チャーミング・マン’ で (‘This Charming Man’)、ライブで見てモリッシーの印象が変わりました。ソロ曲だけでなく、スミスの曲も数曲やってくれましたよ♪
再結成はもう難しいだろうけど、「スミスは永遠」。たった5年の間に生み出された名曲の数々は、これからも色褪せることなく聴かれ続けていくことでしょう☆
上に挙げた曲以外では、
‘Ask’
♪‘Bigmouth Strikes Again’
‘The Boy with The Thorn In His Side’
♪‘The Headmaster Ritual’
が特に好きです!