北欧ノルウェーのミュージシャン、と聞かれて、誰の名前を思い浮かべるだろうか。
80年代、PVとともに世界中で「Take On Me」が大ヒットした、a-haはノルウェーを代表するアーティストだろう。しかし、いま、最も世界が注目しているノルウェーのアーティストといえば、オーロラではないだろうか。
6月15日に23歳を迎えるオーロラ。プラチナブロンドのおかっぱ頭に青い瞳、透き通るような白い肌は、北欧の人であることを容易に想起させる。彼女の特徴は、ポップさとアート性の融合だ。同じくノルウェー出身の若手シンガーとして日本ではオーロラよりも知名度がありそうなシグリッドは、どちらかというとポップに寄っているように感じるが、オーロラはより楽曲からアート性を強く感じる。
彼女自身の風貌や、パフォーマンスにも由来しているのかもしれないが、例えば、先日リリースされたセカンドアルバムの第2部(なんと2枚構成によるアルバムとなっている)「Infection Of A Different Kind(Step2)」に収録されている「Animal」という曲では、自然豊かな北欧でこそ育まれた完成がそのまま歌詞になっている。そのPVを見るに、どうしても同じ北欧、アイスランドのシンガー、ビョークを思い出してしまう。https://youtu.be/3DIT8Y3LC6M
Aurora – Animal
彼女のアート性はファッションからも見てとれる。そのヘアスタイルも特徴敵だが、着ている服が日本の着物、振袖のようにも見えるのだ。腰のあたりにも帯らしきデザインがされていたりと、彼女自身に聞いて見なければわからないが、日本好きなのかもしれない。また、その歌唱力、表現力も、アコースティックでのスタジオライブを見れば一目、いや一聴瞭然だ。
Aurora – Animal (Live at The Current)
そして、なぜ、世界で注目を集めるか・・・
今年フジロックフェスティバルのヘッドライナーとして来日するザ・ケミカル・ブラザーズのニューアルバム「No Geography」がリリースされたが、このアルバムの楽曲で、オーロラが楽曲制作とヴォーカルで参加しているのだ。先日、PVが公開された、冒頭のトラック「Eve Of Destruction」で未来的なコスチュームで登場している女性こそ、オーロラなのだ。日本的にはこの曲にはゆるふわギャングのNENEが参加していることで注目を集めているが、オーロラのインパクトは大きい。
The Chemical Brothers – Eve Of Destruction
楽曲中盤で、閉じていた目を見開く瞬間があるが、彼女の目がなんともミステリアスで引き込まれる。アルバムでは「Bango」「The Universe Sent Me」でもソングライターにクレジットされている。彼女自身のアルバムではここまでエッジの効いた曲はないが、今後、彼女の楽曲のプロデュースをケミカルブラザーズが担当したりすることも出てくるかもしれない。
なお、オーロラ、というのは彼女の本名でもある。
(NO.16編集部)