一体誰がこのプロジェクトがこんなに長期にわたって続くと思っていただろうか?ブラーのデーモン・アルバーンによるバーチャル・バンド、ゴリラズだ。先日、ニューアルバム「Song Machne,Season One:Strange Timez」をリリースした。
ゴリラズ・・・メンバーは、アニメーションによって描かれた、架空のキャラクターである。ある意味、VTuberをバンドスタイルで先取りした、画期的なアーティストだったのではないだろうか。
今作は、個人的には、近年稀に見る、良質なポップアルバムの一つと思っている。ゴリラズのアルバムで比較しても実に多様なサウンドを詰め込んだ、ポップなアルバムに仕上がっている。
まず目を引くのが、豪華なコラボアーティストだ。
1曲めの「Stranger Timez」から、いきなりザ・キュアーのロバート・スミスをぶっ込んでくるあたり、デーモン・アルバーンの大胆さを感じられる。しかもMVに出てくるロバート・スミスのインパクトもまだすごい。
さらに2曲目の「The Valley Of The Pagans」は、オルタナ時代の旗手、ベックをフィーチャーしており、ドライブ感もありつつ、ゴリラズ特有の気だるさも併せ持った、フラッグシップ的な楽曲が見事に出来上がっている。
さらに聴き進めると、「あれ?デヴィッド・ボウイ?」と思ってしまうようなヴォーカルに行き着く。声の主は、エルトン・ジョンなのだが、なんと同じ曲にラッパーの6LACKもフィーチャーされている。ジャンルを飛び越えた新旧アーティストを、90年代〜2000年代の雄、デーモン・アルバーンが架け橋を担うという、なかなか胸熱なコラボである。
しかもこの曲のMVでは、エルトン・ジョンもアニメ化して登場しているのだ。これは必見。
80’sの香りと、マンチェスター・サウンド好きならすぐにピンとくるベースサウンドも聞こえてくる。元ニュー・オーダーのピーター・フックだ。さらに、ディスクロージャーとのコラボでも名前を知られている、ファトゥマタ・ジャワラも参加。
極め付けが、日本のバンド、CHAIもフィーチャーされているではないか!これはすごい!なのに、日本では全然話題になっていないのが残念。
日本人アーティストとしては、元CIBO MATTの羽鳥ミホが以前19-2000で参加していたことが思い出される。
このように、超豪華な、そして様々なサウンドをバックグラウンドに持つアーティストが、ゴリラズの元に集った。是非ともサウンドともに、MVの方も楽しんでいただきたい!
(NO.16編集部)