先週金曜日、今年のフジロック・フェスティバルの「延期」が正式に発表された。
今年は、新聞社のネットニュースに中止報道が掲載され（後日新聞社が謝罪）、さらに正式発表当日の朝にも、「中止」報道があったため、音楽ファンは一体どうなるのかと、気に病んでいたことだろう。
残念ながら、しかし、避けられなかったであろう「延期」という決断を、まずは一音楽ファンとして、支持したいと思う。日本では緊急事態宣言こそ解除されたが、福岡や神奈川で新型コロナウイルスのクラスターが発生、東京に至っては連日２桁の新規感染者が出てしまい、「東京アラート」が発令された。
世界に目を向けてみれば、累計の感染者は700万人を超え、死者は40万人だ。今後、第２波、第３波が襲ってくる危険性はかなり前から指摘されている。そんな中で、海外からアーティストを招聘することは限りなく不可能な状況だ。そんな中で、主催者は「延期」という決断を下した。そう、中止ではなく「延期」である。フジロックのホームページ上には、主催者であるスマッシュの代表、日高正博氏のメッセージも掲載されている。それによると、数ヶ月の延期、という選択肢も検討されていたようだ。熟慮を重ねた結果、断腸の思いで今年の開催を断念したことがわかる。一方で、日程もすでに発表されており、2021年の8月20日、21日、22日。さらには、「今年のチケットをキープしてくれた人達に、記念になるような面白いプレゼントも考えています。」というメッセージも添えられている。
おそらくラインナップは100%今年と同じ、ということにはならないだろう。どんなフジロックになるのかまだ想像もできないが、これまでのフジロックではなくなることは確かだろう。もしかしたら、ポスト・コロナのロックフェスのスタンダードになるかもしれない。
まだ中止も延期も発表されていない9月開催予定のSUPER SONIC、5月開催予定を9月に延期したGREEN ROOMがそれに先んじて、ポスト・コロナの形を示してくれるかもしれない。
何にせよ、フェスはパフォーマンスを見せてくれるアーティスト、それを支えるバックヤード、そして我々オーディエンスが一つになって初めて完成するものだと思うので、我々もしっかりと感染対策をして日々を過ごしていきたいと思う。
◆ 編集部セレクト フジロック ’20プレイリスト
（NO.16編集部）