スタニスラフ・ブーニンへの郷愁
スタニスラフ・ブーニン。 私と同世代のピアノファンなら一際感慨深く、その名を思い浮かべるピアニストに違いない。 ある日、ふとテレビをつけると彼の特集をやっていた。19歳の時に当時史上最年少でショパン国際ピアノコンクールに…
スタニスラフ・ブーニン。 私と同世代のピアノファンなら一際感慨深く、その名を思い浮かべるピアニストに違いない。 ある日、ふとテレビをつけると彼の特集をやっていた。19歳の時に当時史上最年少でショパン国際ピアノコンクールに…
友人でもあるピアニストの稲岡千架さんがコロナ禍を経てソロ活動を本格復帰するという知らせを受け取った。 彼女の演奏は亡きオーディオ評論家の村井裕弥さんが高く評価していて、村井さんが出演する番組の担当ディレクターだった私は、…
今、最も聴きたいピアニストは誰か?と訊かれれば藤田真央、と即答する人は多いだろう。デビュー当時から天才の呼び声が高かったが、今ではコンサートのチケットは文字通り争奪戦である。 今更ではあるが、藤田真央のプロフィールを紹介…
前回のコラムから引き続き生誕100年のベルイマン特集上映についての映画鑑賞日記。1960年代に作られた彼の中期の傑作「神の沈黙」三部作はモノクローム映像で信仰と愛がテーマだった。この三部作以降、女性をクローズアップした作…
ストラディヴァリウスといえばヴァイオリンの最高峰の銘器である、ということは特に音楽愛好家でなくても知っている話であろう。圧倒的な音色を持ちながら、それは選ばれた演奏家だけがその音を奏でることができる。今では残っている楽器…
東京も雪が降る季節である。今週もまた雪の予報が出ているようだが、暦の上ではもうすぐ立春。どんなに寒くても確実に春は近付いてきているのである。この季節に聴きたい音楽は何だろう、と考えていたところ、1月31日はシューベルトの…
秋の到来を感じる季節になったところで今回は恋の話である。今も昔も恋愛が芸術の創造に深く結びついているのは確固たる事実で、作曲家にとってもそれは同じだ。小説や映画のモティーフにも度々取り上げられる三人の例をとってご紹介しよ…