<特集 – 際どいミュージックビデオ>
「際どい」という言葉を調べてみると、「危険な」「危うい」「すれすれの」といった意味で使われているようだ。皆さんはどんな「際どさ」が思い浮かぶだろうか。今回はいろんな「際どい」ミュージック・ビデオを特集。
Toxic
Toxic Britney Spears
2004年にリリースされた、ブリちゃんことブリトニー・スピアーズのシングル。16歳でデビューしたブリトニーも、このとき22歳。少女から、大人の女性に脱皮しようとしていた時期だろう。まだ、スタイルも抜群だ。ビデオではキャビンアテンダント風だったり、スパイ風だったりと、いろんなコスプレをしているのだが、時折挿入される、ブリトニーが、パッと見、何も来ていないんじゃないか?と思うような衣装なのだ。これはかなり際どい。なお、Wikipediaなどでブリトニーを検索すると、最近の写真が出てくるのだが、こちらはなるべくなら、見ない方がいいかもしれない。
Fatty Boom Boom
Fatty Boom Boom Die Antwoord
南アフリカ、ケープタウン出身の三人組、ダイ・アントワード。MCのニンジャ、ヨーランディ、DJのゴッドという3人だ。英語だけでなく、現地のアフリカーンス語も交えたラップで、一度聞いたら耳から離れない。ビデオの序盤は、ショートムービー風になっており、見るからにレディ・ガガをイメージした人物が出てくる。その女性が、現地のギャングに襲われ、街を1人で逃げ回るのだ。そのシーンの後にミュージック・ビデオのパートが始まる。ダイ・アントワードのメンバーのメイクかなり奇抜だ。そして、レディー・ガガ風の女性は、最後にとんでもないクライマックスを迎えてしまうのだ。これには、さすがのレディー・ガガ本人もビデオが公開された直後、SNSで苦言を呈したとか。
We Know Where You Fucking Live
We Know Where You Fucking Live Marilyn Manson
マリリン・マンソンの2017年の1曲。彼はセカンドアルバムのタイトルに「アンチクライスト・スーパースター」というタイトルをつけていることから、反キリスト教、というイメージが強くついている。子供の頃、両親から嫌というほどカトリックの教えを叩き込まれた反発からなのだろうか。
この曲のビデオでは、シスターが街中を闊歩しているシーンから始まる。そのシスターたちが羽織っている服を脱ぎ捨てると、なんと銃を隠し持っていた。
そこから先は、もはやシスターとは思えない行動の数々。
これは敬虔なキリスト教が見たら、卒倒してしまうのではないか、と思うほどだ。
Anoche
Anoche Arca
アルカは、ビョークとの活動でも知られているベネズエラのアーティスト。ビョークはもちろん、エイフェックス・ツインなどとも比較されているアーティストだ。彼の感覚は本当に個性的で、今年、彼がリリースしたシングルはなんと1時間以上に及ぶ楽曲だった。このビデオでは、薄暗い空間の中、たくさんの人が倒れているという異質なロケーションが採用されている。倒れている人はみんな裸。そして、その空間で動いているのはアルカだけなのだが、その格好がなかなか際どい。胸から下腹部にかけては革製のコルセットのようなものをつけているが、下半身はフンドシ状のものをつけているだけ。その際どいヴィジュアル、アルカの動き、歌声が合わさり、唯一無二の雰囲気を作り出している。
This Is America
This Is America Childish Gambino
シンガー、俳優、プロデューサーと、様々な顔を持つアーティスト、チャイルディッシュ・ガンビーノ。2018年にリリースしたこのThis Is Americaは、その際どさ、衝撃の大きさから、一気に話題となった。ビデオでは、笑顔で踊る少年少女、聖歌隊、銃、警察、暴徒とあらゆるものが入り混じっているが、これが今のアメリカを表現しているのだ。このビデオを監督したのが東京出身のヒロ・ムライさんで、見事グラミー賞を受賞している。