ポーター・ロビンソンの新曲がリリースされた。去年、オンラインで開催されたオンラインフェス「Secret Sky」の最後に、ティーザー的に披露された曲「Look At The Sky」。まだ未完成状態の公開だったので、いったいどんな曲に仕上がるのか、楽しみにしていたのだが、想像を超える大作となっていった。
昨今のストリーミング隆盛を受けて、いわゆる「ヒットの法則」のようなものが出来上がっており、楽曲の長さというのは短くなる傾向にあるのだが、ポーターは5分という、異例の長さの作品に仕上げてきた。それだけ彼が伝えたいメッセージが詰まっているのだろう。
筆者の推測だが、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて書かれた歌詞なのではないだろうか。
「Look At The Sky / I’m Still Here / I’ll be Alive Next Year / I Can Make Something Good」
多くの人がコロナによって、そしてコロナ禍の中でコロナ以外の理由で命を落としただろう。筆者の親族もガンによって昨年末この世を去った。そして、自分の年齢も少しずつ上がってきて、「生と死」というものをより具体的なものとして感じるようになってきた。そこにこの歌詞はとても響いたのだ。ポーターは現在28歳。彼がどんな意図を持ってこの歌詞を書いたのかは本人にしか分からないが、今、コロナ禍に喘ぐ世界に響く1曲となるのではないだろうか。
リリックビデオが公開されているが、その美しい映像にも目が奪われる。アニメ好きでも知られている彼の映像に対するセンスも感じられる。
そして、嬉しい知らせも届いた。ニューアルバム「Nurture」が4月23日リリースとアナウンスされたのだ。
i have a surprise announcement — on top of Look at the Sky coming out today, i can also finally tell you the album release date: Nurture will drop on April 23rd (of 2021!!)
you can pre-order Nurture (vinyl, cd, digital, or streaming pre-save) now: https://t.co/Ou7Maa8W8F pic.twitter.com/O0WAGAzbr7
— porter robinson (@porterrobinson) January 27, 2021
去年の初めに新曲がリリースされ始め、早ければ年内にリリースされるのではないかと思われていたが、ようやくリリース日も決まった。1stアルバム「Worlds」がリリースされたのが2014年なので6年以上が経っている。去年から「Get Your Wish」「Something Comfort」「Mirror」そして「Look At The Sky」と新曲をリリースしてきたが、1枚目のアルバムとの違いは明白だろう。
2014年といえば、まだEDMが全盛の時で、ポーターはその中でもエモーショナルな楽曲を作っていた方だが、このアルバムは、すでに発表された4曲を聴く限り、よりメロディや音色といった部分が柔らかく、際立つものになるだろう。
2021年、コロナウイルスの状況が今後どうなって行くのかはまだ不透明だが、彼は去年のオンラインフェス「Secret Sky」の最後に、「second sky will be back,promise.」と約束してくれている。必ず何らかの形で、ライブを届けてくれるに違いない。そちらも楽しみにしたい。
(NO.16編集部)