<特集 – 現代風マンチェスターサウンド>
イギリスの都市、マンチェスター。かつてレイヴとロックが融合した「マッドチェスター」と言うムーブメントを生み出し、マンチェスターを象徴するサウンドと呼ばれるようになった。その後のマンチェスターといえば、オアシスがやはり一番象徴的なアーティストだろう。では、2020年代のマンチェスターサウンドとは・・・
象徴
IF YOU’RE TOO SHY(LET ME KNOW) THE 1975
今、マンチェスターを代表するアーティストといえば、まずはこのバンドだろう。マッドチェスターのようなどこか陰のあるサウンドではないが、硬いギターの音と、程よくシンセサウンドもブレンドしたレイヴ感もあるところは、やはりその土地柄なのかもしれない。デビュー当初は、ポップバンドで終わるのかと思いきや、今や押しも押されぬビッグバンドとなった。
若手
THERE’S HONEY PALE WAVES
THE 1975を追いかけるようにマンチェスターから登場したのが、ペール・ウェーヴス。THE 1975と同じ事務所、と言うこともあるのだろうが、ペール・ウェーヴスもギターとエレクトロをベースにしたインディバンド。こういったバンドが出てくると言うことは、やはり今のマンチェスターを象徴する音が、THE 1975の流れ、と言うことなのかもしれない。
THE 1975?
HAILEY BEEBS almost monday
こちらは、アメリカ、サンディエゴのバンドで、Z世代のバンドとして最近注目を集めているが、その音は、THE 1975のデビュー当時を彷彿とさせる。インタビュー記事などを読むと、THE 1975の名前は出てこないが、ゴリラズやデヴィッド・ボウイなど、イギリスの音楽には触れてきているので、やはりどこかで接点はあったのかもしれない。
正統派
CHARLEMAGNE BLOSSOMS
かつてのマッドチェスターの雰囲気を色こく残しているのが、ブロッサムズと言うマンチェスターのバンド。特に、デビューアルバムに収録された「シャルルマーニュ」と言う曲は、まさにこれぞマンチェスター、と言う雰囲気だ。バンドメンバーもストーン・ローゼスや、オアシスなどに憧れていたと言うこと。こうした昔ながらのマンチェスターの雰囲気も残しつつ、やはりTHE1975のような、ポップセンスが溢れる楽曲も数多く生み出している。
ダンス×ロック
ARCH ENEMY EVERYTHING EVERYTHING
こちらは2007年結成のマンチェスターのバンド。こちらもマッドチェスターの雰囲気を継承した、エレクトロとインディロックを融合したサウンド。よりダンスフロアを意識したドラムサウンドだったり、どこか陰のあるマイナー調の楽曲だったり、レディオヘッドのような「狂気」を感じる楽曲があったりと、こうしたバンドがマンチェスターサウンドの1つの軸としてまだ存在していることに、少し安心感を覚えてしまう。