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カエターノ・ヴェローゾ、新曲「アンジョス・トロンショス(歪んだ天使たち)」をデジタル・リリース

CAETANO VELOSO


(情報提供: SONY MUSIC JAPAN INTERNATIONAL)

ラテン・グラミー賞を13回、グラミー賞「最優秀ワールド・ミュージック・アルバム」を2度受賞したブラジルを代表するシンガー・ソングライター、カエターノ・ヴェローゾ(Caetano Veloso)がテクノロジーとインターネットに思いを馳せる新曲「アンジョス・トロンショス(歪んだ天使たち)(Anjos Tronchos)」をデジタル・リリースした。同曲はソニーミュージック移籍第1弾であり、数ヶ月内に予定されている新作の収録される。

icon-youtube-play「アンジョス・トロンショス(歪んだ天使たち)」 ミュージック・ビデオ

ムジカ・ポプラール・ブラジレイラ(MPB) の最重要ミュージシャンの1人と見なされているシンガー・ソングライターのカエターノは、「アンジョス・トロンショス(歪んだ天使たち)」のインスピレーションの源を以下のように説明している。

「このテーマや問題に不案内な私には、この曲は完成できないだろうと思っていたんだ。このような曲を書くならもっとたくさん知る必要があると心に決めたんだ。もっと学ぶにはもっとインターネットを使う必要があるし、ソーシャル・メディアの状況ももっと知っておく必要があるとね」。

彼はこう締めくくる。

「私はテクノロジーの問題やそれのもたらすものについてあまり詳しくないけれど、書いた曲は私本人がマスターできる範囲よりもずっと大きな問題に触れているような気がする。世の中には政治的な結果をもたらした曲や、何世代もの人々や社会の分野の中で考えを生み出してきた曲がたくさんあるけれど、それらを書いた者はその題材の複雑さを理論的に理解していた訳ではない。最終的には“そういう曲の1つになり得る曲を何とか書くことができたな”と思ったよ。」

フェルナンド・ヤング(Fernando Young)とデル(Del)が監督を務めたミュージック・ビデオはカエターノを影や鏡の合間にフィーチャーするイメージにより、曲の濃密さを表現している。

フェルナンドとデルはミュージック・ビデオについて、以下のように説明している。

「私たちはカエターノのパフォーマンスから焦点をずらしてしまうようなポスト・プロダクションやエフェクトをかけることのないよう、職人的な姿勢でリアルな効果を追求しました。反射やアルゴリズムの増殖と対照的で、超ミニマルなシナリオを構築するというアイデアはそのようにして生まれました。これはデジタルの空虚感に直接繋がっています。」

カエターノ・ヴェロ―ソはラテン・グラミー賞受賞歴の最も多いブラジル人アーティストであり、獲得したトロフィーは合計13回。さらに2012年にはアカデミーにより「パーソン・オブ・ザ・イヤー」として表彰された。50作以上のアルバムを発表し、ペドロ・アルモドヴァル(Pedro Almodovar)監督の『トーク・トゥ・ハー(Hable con Ella)』やジュリー・テイモア(Julie Taymor)監督の『フリーダ』といった映画のサウンドトラックでコラボレーションを行ってきたカエターノ・ヴェローゾは、目下次の作品のリリース準備に入っている。アーティストの彼が曲を書くときにどのように脳を働かせているかが分かるような、頭の中を旅する作品になるという。

◆ 「アンジョス・トロンショス(歪んだ天使たち)」 歌詞&対訳

(Caetano Veloso)

Uns anjos tronchos do Vale do Silício

シリコン・ヴァレーの歪んだ天使たちは

Desses que vivem no escuro em plena luz

真っ昼間でも暗闇に生きるあの連中は

Disseram: vai ser virtuoso no vício

こう言った。青より青いスクリーンへの

Das telas dos azuis mais do que azuis.

依存の名匠たらん、

Agora a minha história é um denso algoritmo

今では僕の個人史は、リアルなセラーたちに

Que vende venda a vendedores reais,

セールスを売る、濃密なアルゴリズムだ

Neurônios meus ganharam novo outro ritmo

僕のニューロンは新たに別のリズムを得た

E mais e mais e mais e mais e mais.

そしてさらに、さらに、さらに、さらに、さらに
Primavera Árabe – e logo o horror.

アラブの春 – そのすぐ後には恐怖が

Querer que o mundo acabe-se:

世界の終焉を求めること

Sombras do amor.

それは愛の陰影

Palhaços líderes brotaram macabros

道化師がごとき不気味なリーダーらが

No império e nos seus vastos quintais

帝国とその広大な裏庭に現れ始めた

Ao que revêm impérios já milenares

千年もの歴史をもつ帝国が

Munidos de controles totais.

完全な支配力を備えて戻ってくる

Anjos já mi ou bi ou trilionários

ミリオネア・ビリオネア・トリリオネアな天使たちは

Comandam só seus mi, bi, trilhões

己の手元のミリオン、ビリオン、トリリオンしか管理しない

E nós, quando não somos otários,

そして僕らは、愚かでない時には

Ouvimos Shoenberg, Webern, Cage, canções…

シェーンベルクやヴェーベルン、ケージや歌を聴く
Ah, morena bela

ああ、美しいモレーナ

Estás aqui

ここにいたのだね

Sem pele, tela a tela:

皮膚をなくし、スクリーンからスクリーンへ

Estamos aí.

僕らは今そこにいる

Um post vil poderá matar

卑劣な書き込みが人を殺せなら

Que é que pode ser salvação?

救済になりうるものは何だろう

Que nuvem, se nem espaço há

スペースすらないとしたら、何がクラウドか

Nem tempo, nem sim nem não. Sim: nem não.

時間もなく、諾でも否でもない。諾は否でもない

Mas há poemas como jamais

だが、かつてなかったほどの詩がある

Ou como algum poeta sonhou

詩人の誰も夢見たことがなかったほどの詩が

Nos tempos em que havia tempos atrás

昔がまだ存在した頃の

E eu vou, por que não? Eu vou, por que não? Eu vou.

僕は行く なぜいけない? なぜいけない? 僕は行く
Uns anjos tronchos do Vale do Silício

シリコン・ヴァレーの歪んだ天使たちは

Tocaram fundo o minimíssimo grão

極小の粒のところまで降りてきた

E enquanto nós nos perguntamos do início

そして、僕らが初めから自問している間

Miss Eilish faz tudo o quarto com o irmão.

ミス・アイリッシュは兄と一緒の部屋ですべてを行う

(対訳:國安真奈)

■プロダクション・クレジット

Voice: Caetano Veloso カエターノ・ヴェローゾ
Guitar: Pedro Sá  ペドロ・サー
Bass: Pedro Sá  ペドロ・サー
Synthesizer: Lucas Nunes ルーカス・ヌネス
Zabumba: Pretinho Da Serrinha プレチーニョ・ダ・セヒーニャ
Triangle: Pretinho Da Serrinha プレチーニョ・ダ・セヒーニャ

Recording Technician: Lucas Nunes ルーカス・ヌネス
Mixing: Daniel Carvalho e Lucas Nunes ダニエル・カルヴァーリョ&ルーカス・ヌネス
Mastering: Alexandre Rabaço アレシャンドレ・ハバソ
Music Production: Caetano Veloso e Lucas Nunes カエターノ・ヴェローゾ&ルーカス・ヌネス