ドビュッシー未完のオペラ〜アッシャー家の崩壊
2019年はエドガー・アラン・ポー生誕210年ということである。そのポーの短編小説『アッシャー家の崩壊』をもとに自身で脚色し、オペラ化を試みたのが作曲家ドビュッシーだった。それはドビュッシーの死により断片を残し未完となっ…
2019年はエドガー・アラン・ポー生誕210年ということである。そのポーの短編小説『アッシャー家の崩壊』をもとに自身で脚色し、オペラ化を試みたのが作曲家ドビュッシーだった。それはドビュッシーの死により断片を残し未完となっ…
2019年初めに出かけたコンサートはトッパンホールのニューイヤーコンサートだった。トッパンホールはその名の通り凸版印刷株式会社が持つコンサートホールである。クラシック音楽の歴史は楽譜とともにある。その普及には〈印刷〉とい…
突然だが私は何年か前からジムで定期的にトレーニングをしている。もともと体が硬く、ラジオの仕事を始めてからは編集作業や原稿書きなどでずっとパソコンに向かっていることも多いので、肩凝りや腰痛になりやすく、これが慢性化してしま…
前回のコラムで映画の話題を取り上げたばかりなのだが、続けて試写で観た映画があった。タイトルは「女王陛下のお気に入り」。ベネチア国際映画祭で銀獅子賞と女優賞のW受賞で話題の映画だ。 18世紀初頭、フランスとの戦争状態にある…
そろそろ2018年も終わりを告げようという時期、世は忘年会シーズンである。しかし小規模な現場だと番組単位で忘年会ということは少ない。年末年始の休みに備えて、通常の収録番組のスケジュールが早まったり、特番があったりとラジオ…
英国ロイヤル・オペラ・ハウスはロンドンにある世界的な歌劇場。妹がイギリスに住んでいた頃、私も何度か訪れたことがある。優雅な気分を堪能するにはサヴォイ・ホテルでアフタヌーンティーを楽しんでから程近いコヴェントガーデンに向か…
現代音楽というと大抵の人が思い浮かべるであろう、難解でガーガーキーキーする音がひしめいている調性のない音楽、というイメージは最近大分払拭されているのではないかと思う。調性音楽が形を失くし始めたのは既に後期ロマン派、ワーグ…
銀座の王子ホールで高校時代の友人がピアノリサイタルをやるというので、開演前に友人らと久しぶりに顔を合わせて食事もすることになった。 その日集まった音大の付属高校時代のメンバーはかつてピアノ科の生徒で、今では結婚して家庭を…
秋も深まる季節である。人生も半ばを過ぎるとそんな季節の黄昏に、いずれ訪れるであろう「死」について漠然と考えることも多くなる。いや、むしろ「死」そのものについて考えていたのは、そこからまだ遠いところにいた10代の頃だったか…
バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータと言えば、ヴァイオリンのソロ作品の中でも音楽史上最高の傑作であることは疑いようがない。 icon-youtube-play バッハ/無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番ト…