カニサレス・フラメンコ・クィンテット
その日の東京は台風が接近していた。雨足が強くなり始めた頃、私は地下鉄に乗り六本木から都立大学駅へと向かった。午前中の用事を済ませ、午後4時からめぐろパーシモンホールで、フラメンコギタリストのカニサレスのコンサートを聴きに…
その日の東京は台風が接近していた。雨足が強くなり始めた頃、私は地下鉄に乗り六本木から都立大学駅へと向かった。午前中の用事を済ませ、午後4時からめぐろパーシモンホールで、フラメンコギタリストのカニサレスのコンサートを聴きに…
ベルリン・フィルの音楽監督を終えたサイモン・ラトルの次の活動の場は母国イギリスのロンドン交響楽団だ。そのロンドン交響楽団を率いて初の日本ツアーがこの秋行われている。 私にとってサイモン・ラトルというと未だに青年指揮者、と…
ドイツ・グラモフォンといえば、カラヤンやバーンスタイン、ベームやクーベリック、小澤征爾、アルゲリッチやポリーニ、マイスキーなど綺羅星のごときトップアーティストが所属する歴史ある名門レーベル。近年はクラシック音楽業界全体の…
音楽関係者はコンサートに行く機会も度々あるが、私の場合いつも気になるのはコンサートにおけるドレスコードだ。 しかし日本の場合はやり過ぎると悪目立ちする。海外のオペラハウスやコンサートホールは、その建築的にも美しい建物の佇…
前回のコラムから引き続き生誕100年のベルイマン特集上映についての映画鑑賞日記。1960年代に作られた彼の中期の傑作「神の沈黙」三部作はモノクローム映像で信仰と愛がテーマだった。この三部作以降、女性をクローズアップした作…
イングマール・ベルイマンが今年生誕100年ということで少し前から特集上映が恵比寿ガーデンシネマで始まっていた。1918年スウェーデンのウプサラに生まれたベルイマンは「北欧映画界の至宝」とも称され、20世紀最大の映画監督で…
世間がお盆休みの中、ラジオディレクターは人もまばらになった都内で残り仕事を片付ける、というのがいつものパターンである。私は今年もそういった感じではあったものの、いざお盆に突入してみると意外にも時間に少し余裕があることに気…
ミューザ川崎シンフォニーホールといえば、その音響の良さで注目されるコンサートホールのひとつだ。客席は1997。螺旋状に配置された座席がステージを囲むようになっているのが特徴で、そのせいかひときわステージと客席が近く感じら…
「夏は夜。月のころはさらなり、闇もなほ、ほたるの多く飛びちがひたる。またただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。」 ご存知「枕草子」の一節。私はこの夏についての描写がとても好きだ。もちろん平…