祝祭のメサイア
12月に入ると街はクリスマスムードが漂う。日本では宗教的な意味合いは少ないものの、すっかり生活に根付いたイベントとして、デパ地下の賑わいや街角のクリスマスツリーを見るだけで幸せな気分になるのは悪いものではない。思えばバブ…
12月に入ると街はクリスマスムードが漂う。日本では宗教的な意味合いは少ないものの、すっかり生活に根付いたイベントとして、デパ地下の賑わいや街角のクリスマスツリーを見るだけで幸せな気分になるのは悪いものではない。思えばバブ…
音楽に関わる仕事をするようになって、様々な音楽を意識的に聴くようになったが、なかでもワーグナーのオペラというのは私にとって最も遠くにある存在だった。そもそもオペラというジャンル自体、一般の人にとってはどこか別世界だと思わ…
数あるクラシック音楽作品の中でも変奏曲という形式には、作曲家の粋が詰まっている。 私自身ピアノをやっていた学生時代から変奏曲には特に魅力を感じていた。ロマン派の作品から何か自由に選んで演奏する、という試験課題の時はメンデ…
この秋は緊急事態宣言が明けたこともあり、日本のクラシックコンサートも徐々に活況を呈してきた。それでもまだ海外のオペラやオーケストラ団体などの来日は限られているが、昨年に引き続き、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団だけは予…
今年は5年に一度のショパンコンクールの開催年。少し前まで音楽界の話題はほぼそれ一色だった。当然このコラムでも取り上げて然るべきだったのだが、YouTubeやSNSなどリアルタイムでアップされる情報や動画などを私は殆ど見聴…
クラシック音楽のコンサートといえば都内にいくつか専用のホールがあるが、その日のコンサートはNHK交響楽団の定期公演。会場は池袋の東京芸術劇場だった。 全くの偶然だが私の場合、東京芸術劇場に行く時はいつもトラブルが発生する…
長かった緊急事態宣言が明け、ゆっくりとではあるがようやく世の中が動き出した感じだ。 この間に一番活動を制限されたのがやはり声を使ったエンタテインメントだろう。クラシック音楽の世界ではとりわけオペラを見る機会が少なくなって…
私事だが、先日誕生日を迎えた。 しかし記念日も大人になれば当然、仕事や日々の雑多なことに埋もれてしまうものだ。それでもついこの間までは、気のおけない仲間と誕生日にかこつけてホームパーティーをしたり、食事に出かけたりという…
9月というのは残暑が厳しい時もあれば、時折り急に秋めいたり、はたまた台風が発生したりと天候が定まらないのが難点である。 そんな時にコンサートの予定があると、悩むのは服装である。クラシック音楽の場合、あまりにカジュアルなの…
2回のコロナワクチンの接種を終えた。思ったより副反応が軽かったので、私はリハビリがてら日曜日の午後スタジオに向かうことにした。 その日はOMFのライヴ配信が15時から予定されていた。桐朋学園の名教師として知られる齋藤秀雄…