マウリツィオ・ポリーニへのラブレター
その日、ピアニストのマウリツィオ・ポリーニが亡くなったというニュースが世界中を駆け巡った。ピアノを愛する人にとってこれははただの訃報ではない。「時代の終焉」「巨星墜つ」といった言葉が頭をよぎったことだろう。近年はコンサー…
その日、ピアニストのマウリツィオ・ポリーニが亡くなったというニュースが世界中を駆け巡った。ピアノを愛する人にとってこれははただの訃報ではない。「時代の終焉」「巨星墜つ」といった言葉が頭をよぎったことだろう。近年はコンサー…
春はイベントの多い季節だが、私が楽しみにしているイベントもこの時期に集中している。その一つが東京・上野を中心に開催している「東京・春・音楽祭」である。ご存知のように上野公園周辺には博物館や美術館が多く存在しているので、こ…
仕事柄クラシック音楽のコンサートにはよく出かける。でもいつも素晴らしい演奏が聴けるか、というとそうでもないのが正直なところだ。こんなことを言うと怒られそうだが、退屈で眠くなってしまったり、帰りたくなってしまうようなコンサ…
立春を過ぎてもまだまだ寒いと思っていたが、昼間は暖かい日差しが降り注ぐ。こうなるとロングブーツを脱いで久しぶりに軽やかにバレエシューズを履いて出掛けたくなる。そんな春めいた装いで東銀座に向かった。 METライブビューイン…
2月9日の夜、指揮者の小澤征爾の訃報が世界中を駆けめぐった。彼が長く音楽監督を務めたボストン交響楽団では追悼コメントとともに、バッハのアリアがしめやかにコンサートで演奏された。またウィーン・フィルやベルリン・フィルなども…
私が長年制作に携わってきたミュージックバードのクラシックチャンネルの番組が2月末で終了となる。衛星放送という特殊な形態はインターネットで気軽に音楽をダウンロードする現代において継続するには難しくなっていたのかもしれない。…
元日から不穏な災害や事故で心が暗くなりがちだが、新年は始まったばかり。気を取り直してサントリーホールで行われる雅楽の新春コンサートを聴きに行くことにした。 雅楽といえば「越天楽」くらいしか頭に浮かばない私が、昨年もここサ…
2024年の幕開けは能登半島を襲った震災とそれに関連した航空機事故のニュースだった。 入院している実家の父がお正月には家に一時的に戻ることになっていたので、いろいろ段取りを整える必要があって、私も年末はバタバタしていたの…
METライブビューイングの新シーズンが始まった。 ニューヨークのメトロポリタン・オペラの上演を映画館で鑑賞できるという画期的な企画は、METの総裁であるピーター・ゲルブが考案したという。2006年から始まって、今では世界…
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が4年ぶりに日本にやってきた。この来日が特別なのは言うまでもないが、今年は更に首席指揮者で芸術監督のキリル・ペトレンコが来日するということでも特別な期待感を持たれていた。 クラシック音楽…