真夏のマーラーと震災の記憶
その日のコンサートは身震いするほど熱狂的なラストだった。 今年は8月になってから地震や台風、自然災害の猛威の予兆が不気味な足音で近づいている。先日宮崎県の日向を襲った震度6弱の地震で、長年懸念されている南海トラフ地震の不…
その日のコンサートは身震いするほど熱狂的なラストだった。 今年は8月になってから地震や台風、自然災害の猛威の予兆が不気味な足音で近づいている。先日宮崎県の日向を襲った震度6弱の地震で、長年懸念されている南海トラフ地震の不…
元日から不穏な災害や事故で心が暗くなりがちだが、新年は始まったばかり。気を取り直してサントリーホールで行われる雅楽の新春コンサートを聴きに行くことにした。 雅楽といえば「越天楽」くらいしか頭に浮かばない私が、昨年もここサ…
今ではすっかりお馴染みの場所となった赤坂アークヒルズ。職場にもほど近いので、よく足を運ぶ。 そこにあるクラシックコンサートの会場がサントリーホールだ。在京オーケストラの定期公演もほとんどこのホールで行われている。サントリ…
パトリツィア・コパチンスカヤ。彼女を何と呼ぶべきか。もちろん稀に見る才能を持つ音楽家であることは確かなのだが、その存在感は現代のクラシック音楽界におけるジャンヌ・ダルクか、アイドル(隣の席の男性もオペラグラスで覗き込んで…
現代のグローバル社会に於いて「西洋」という括りは若い世代の間ではあまり使わないワードかもしれない。インターネットが世の中に登場してからというもの、地球の垣根は取り払われたかに思えた。情報の世界だけにとどまらず、もちろんそ…
この秋はなんとコンサートやらオペラやらに出掛ける機会が多いことか。それだけコロナ以降滞っていた来日公演や上演があるということなのだが、いかんせん番組制作の仕事もしているので、全ての公演に足を運ぶということもできない。自腹…
実は5月に夫婦で会社を設立した。私たちは同業者なので、お互いフリーでやるより法人化した方が何かとメリットが多いと考えてのことである。 ……というのは表向きの理由で、夫が仕事上、法人の方がやりやすい案件が多かったからで、そ…
私がクラウス・マケラの名前を知ったのは、ミュージックバードの担当番組「ニューディスク・ナビ」でその新譜を取り上げた時である。聞き慣れない名前は番組パーソナリティである山崎浩太郎さんの解説によると、フィンランド出身の20代…
長らく世界的なパンデミックでクラシック音楽界の来日も軒並みストップしていた時期があったが、最近ようやくアーティストの入国もスムーズになり、コンサートは活況を呈してきている。その中でやはり来日中止となっていたマルタ・アルゲ…
この秋は緊急事態宣言が明けたこともあり、日本のクラシックコンサートも徐々に活況を呈してきた。それでもまだ海外のオペラやオーケストラ団体などの来日は限られているが、昨年に引き続き、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団だけは予…