スタニスラフ・ブーニンの生き様
父が亡くなってから一人暮らし中の母。彼女のたっての希望でスタニスラフ・ブーニンのコンサートを聴きに行くことになった。私の母は下町で商売を営む家に生まれた生粋の江戸っ子。もともとクラシック音楽にはあまり縁がない人なのだが、…
父が亡くなってから一人暮らし中の母。彼女のたっての希望でスタニスラフ・ブーニンのコンサートを聴きに行くことになった。私の母は下町で商売を営む家に生まれた生粋の江戸っ子。もともとクラシック音楽にはあまり縁がない人なのだが、…
10月下旬に集中した秋の来日公演の中でダークホースだったのはロサンゼルス・フィルハーモニックだろう。 土地柄ハリウッドとも関係の深いこのオーケストラは、2003年にウォルト・ディズニー・コンサートホールという新たな本拠地…
個人的なことを書くが、先月父が亡くなった。父はここ2年余り、ずっと入院していたので、遠からずこの日がやってくることは私も家族も予想はしていた。だから正直なところ、すごくショックというわけではなかった。最近はほぼ1日眠って…
先日、サントリー音楽賞を受賞した作曲家、近藤譲のオペラ『羽衣』が日本初演された。タイトルの通り、これは能を素材とした作品である。前回のコラムで取り上げた細川俊夫もそうだが、日本人作曲家にとって(最近は欧米の作曲家にも波及…
東京交響楽団の音楽監督、ジョナサン・ノットが今シーズンで退く。ラインナップを見るとどれも意欲的なプログラムだが、この日はブリテンの「戦争レクイエム」が取り上げられるということで、なかなかライブで聴く機会のない演目でもあり…
三寒四温とはよくいったもので、3月の天気は変わりやすい。立春も過ぎたところで雪が散らついたり、妙に昼間は暖かくなったりする。ウォーキングを毎日欠かさずやっていられたのはこれまで乾燥した晴れの日が多かったからだと気付いたの…
その日のコンサートは身震いするほど熱狂的なラストだった。 今年は8月になってから地震や台風、自然災害の猛威の予兆が不気味な足音で近づいている。先日宮崎県の日向を襲った震度6弱の地震で、長年懸念されている南海トラフ地震の不…
元日から不穏な災害や事故で心が暗くなりがちだが、新年は始まったばかり。気を取り直してサントリーホールで行われる雅楽の新春コンサートを聴きに行くことにした。 雅楽といえば「越天楽」くらいしか頭に浮かばない私が、昨年もここサ…
今ではすっかりお馴染みの場所となった赤坂アークヒルズ。職場にもほど近いので、よく足を運ぶ。 そこにあるクラシックコンサートの会場がサントリーホールだ。在京オーケストラの定期公演もほとんどこのホールで行われている。サントリ…
パトリツィア・コパチンスカヤ。彼女を何と呼ぶべきか。もちろん稀に見る才能を持つ音楽家であることは確かなのだが、その存在感は現代のクラシック音楽界におけるジャンヌ・ダルクか、アイドル(隣の席の男性もオペラグラスで覗き込んで…