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バカラックのやさしい音楽
その日は冷たい雨の日だった。私は電車に乗っていたが音楽が聴きたくなってiPhoneを取り出す。ふと、先日亡くなったバート・バカラックの「雨にぬれても」を選ぶ。J.B.トーマスが歌う、その穏やかで懐かしいメロディーになんと…
アントネッロのオペラ・フレスカ8〜『ラ・カリスト』
立春の午後、川口総合文化センター・リリアでアントネッロの公演が行われた。昨年はコロナに罹患して一度公演を聴き逃してしまった私としては、年明けに知らせを受け取ってから、それこそ体調を万全にして、期待に胸を膨らませて川口駅に…
ラジオディレクターの冬の一日
12月で担当番組が終了したので、新年になってからはわりとのんびり過ごしている。なにしろ週50時間近い番組を制作していたので、正直かなり多忙だった。会社員だったら労働問題になるところである。コンサートやアートを鑑賞したり、…
知られざる日本人作曲家
現代のグローバル社会に於いて「西洋」という括りは若い世代の間ではあまり使わないワードかもしれない。インターネットが世の中に登場してからというもの、地球の垣根は取り払われたかに思えた。情報の世界だけにとどまらず、もちろんそ…
愛に満ちた音楽家バーンスタイン
「愛」とは何か。 時々親しい友人たちとお酒を飲みながら(正確には私はお酒を飲めないが)話したりすることがある。しかしいつも話しながら結局それが何なのか、自分の中でもうやむやになってしまうのだが、一冊の本を読んで、その答え…
ラジオとクラシック音楽
この12月で15年近く担当してきたミュージックバードの番組「ニューディスク・ナビ」が終了することになった。私は幸運なことに長寿のレギュラー番組を担当させていただくことが多い。本格的なクラシック音楽を専門に聴くことのできる…
大人の遠足〜角川武蔵野ミュージアム
歌手の井筒香奈江さんとは最近よくデートする。同世代でお酒が飲めないという共通項もあって、番組ゲストに迎えてからすっかり意気投合している。長引くこのコロナ禍でライブ活動がままならなくなった彼女はこの間、読書にのめり込み、す…
永遠の恋人〜リートの魅力
久しぶりにリート・リサイタルを聴く。 リートとはドイツ語で歌曲のこと。リート・リサイタルはクラシックコンサートの中でもお客さんが入りにくい、という話を聞いたことがある。確かに歌詞が外国語という点でまずハードルが上がる。ざ…
R.シュトラウス「サロメ」演奏会形式
この秋はなんとコンサートやらオペラやらに出掛ける機会が多いことか。それだけコロナ以降滞っていた来日公演や上演があるということなのだが、いかんせん番組制作の仕事もしているので、全ての公演に足を運ぶということもできない。自腹…