政治と音楽
コロナ禍に喘ぐ世界にこんなことが起きようとは誰が想像しただろうか。ロシアによるウクライナ侵攻のニュースは文字通り衝撃だった。冷戦後も常に地球上のどこかで紛争や軍事衝突が起こっていたとはいえ、「戦争」というワードがこれほど…
コロナ禍に喘ぐ世界にこんなことが起きようとは誰が想像しただろうか。ロシアによるウクライナ侵攻のニュースは文字通り衝撃だった。冷戦後も常に地球上のどこかで紛争や軍事衝突が起こっていたとはいえ、「戦争」というワードがこれほど…
少し前の話題で恐縮だが2月のイベントといえば世間的にはバレンタインデーである。番組制作の現場ではこの話題に全く触れないわけにはいかない。しかし近年儀礼的な意味でのバレンタインデーは職場では衰退しつつある。スタジオでもチョ…
ある人の友人が「人生最後にはグールドの1981年録音のバッハのゴルトベルク変奏曲を聴きたい」と言ったそうだ。 その話を聞いた真冬の夜、私は池袋の東京芸術劇場でコンサートを聴いてから編集の続きをやるために半蔵門のスタジオに…
ニューヨークのメトロポリタンオペラが新型コロナウィルスの影響で閉鎖を余儀なくされ早1年半が経った。その復帰第1作となったのが、テレンス・ブランチャードの「Fire Shut Up in My Bones」だというのは驚き…
私が制作に関わる衛星デジタル放送ミュージックバードのクラシック・チャンネルでは「ストラディヴァリウス・コンサート」という番組がある。これは言わずと知れた弦楽器の至宝であるストラディヴァリウスを保有し、国内外の優秀な若手演…
2022年は寒さとともにやってきた。新年が明けて間もなく、東京では雪が降り、私はちょうどその日に番組の収録があって半蔵門のスタジオに入っていた。皇居側の窓があるスタジオからお堀の緑がだんだんと白く染まっていくのを眺めなが…
早いもので2021年ももう終わりに近づいている。ここでも何度かぼやいているが、年末のラジオディレクターはいわゆる年末進行というのがあって、年末年始の休みを考慮して通常より番組の納品が早まるので、気力体力の勝負時である。今…
先月からトッパンホールのコンサートに出掛ける機会が多かった。駅からやや離れた場所でありながら室内楽規模の会場として素晴らしい音響とラインナップで人気のトッパンホールは、サントリー音楽賞を受賞していることからもわかるように…
12月に入ると街はクリスマスムードが漂う。日本では宗教的な意味合いは少ないものの、すっかり生活に根付いたイベントとして、デパ地下の賑わいや街角のクリスマスツリーを見るだけで幸せな気分になるのは悪いものではない。思えばバブ…
音楽に関わる仕事をするようになって、様々な音楽を意識的に聴くようになったが、なかでもワーグナーのオペラというのは私にとって最も遠くにある存在だった。そもそもオペラというジャンル自体、一般の人にとってはどこか別世界だと思わ…